ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

追放聖女にヤンデレ皇帝の執愛は重すぎる

追放聖女にヤンデレ皇帝の執愛は重すぎる

著者:
あさぎ千夜春
イラスト:
天路ゆうつづ
発売日:
2024年09月04日
定価:
858円(10%税込)
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俺をあなたの道具にしてください

五年前、多くの濡れ衣を着せられ帝都を追われた皇女リーゼロッテは、その混乱の最中に精霊の加護を得た。
そんな彼女の前に帝国の使者が現れ、瘴気に覆われた各地の浄化を依頼される。
帝国で待っていた皇帝ルカは、かつてリーゼロッテの護衛騎士だった。
当時秘めた恋心を抱いていた彼女に、ルカは再会したとたんにキスをする。
その後結婚を提案され、利用しようとしているはずと反発する彼女に対し、処女かどうかを確かめると言い出して――?

自己肯定感の低い敏腕皇帝×濡れ衣を着せられた純真な聖女、
こじらせ愛のヒーリング・ラブロマンス

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登場人物紹介

リーゼロッテ

リーゼロッテ

濡れ衣を着せられ国を追われた元皇女。精霊の加護を受け聖女になった真面目で心優しい女性。

ルカ

ルカ

英雄と称される皇帝。かつてリーゼロッテの護衛騎士だった。寡黙だが苛烈な内面の持ち主。

フィン

フィン

リーゼロッテの守護精霊。浄化の際に魔力を提供する。夜の精霊でもあり普段は猫の姿をしている。

お試し読み

ルカは切れ長の目を細めると、大きな手のひらをリーゼロッテの下腹部にのせる。
「男でも、女でも構いません。俺の子を産んでください。子供ができれば、あなたも諦めてくれるでしょうし」
言っていることのめちゃくちゃ加減に『子供を道具のように扱うな!』とか『諦めるってなにを!?』とか、いろいろ浮かんだが、なによりも『俺の子を産んでください』という彼の言葉に、リーゼロッテの頬にさっと朱が走った。
「こっ……こっ!?」
好きな男にそんなことを言われて、動揺しない女がいたら教えてほしい。
ちなみにリーゼロッテは無理だった。
ルカとそういうことをするのかと、想像してしまう。
「作り方は知っていますか?」
ルカは、口をパクパクさせているリーゼロッテの顔を覗き込みながら、甘い声でささやいた。
「し……知ってるっていうか……」
離宮にいた頃ならまだしも、リーゼロッテだって二十二歳の年頃の娘だ。村の女たちに交じって祭りの準備などをしているときは、女同士のひめゴトとして『男女のそういった話』を聞くこともある。経験はないが、女たちのあけすけな会話にいつもドキドキしていたものだ。
「そんなの、口に出して言うことではないでしょう」
しどろもどろになりながらうつむくと、ルカはさらに言葉を続ける。
「……あなたには侯爵令息の婚約者がいましたね。あの男は婚約が取り交わされた後も女にだらしなくて、そのくせあなたのことも、いつもいやらしい目で見つめていた」
「えっ?」
リーゼロッテは目をぱちくりさせながら、ルカを見つめる。
「あの男は、結婚前のあなたに一度だって淫らなことはしませんでしたか?」
「……私のそばには、いつもあなたがいたでしょう。確かに少し浮ついたところはあったけれど……なにもなかったわ」
そう、顧みられない立場だったとはいえ、リーゼロッテも一応皇女のひとりだったので、かろうじて十七歳の誕生日を目前にして、婚約者が定められた。
後ろ盾のないリーゼロッテの婚約者に据えられて本人もそれを不服と思っていたのだろう。表向きはリーゼロッテに愛想よくふるまっていたが、陰で『妹姫のほうがよかった』と不満を漏らしていたのをリーゼロッテは知っていた。
傷つきはしたが、彼の言う通りだったのでなにも言えず、落ち込んだ記憶はある。
そして季節をいくつか過ごしたところで追放されてしまったので、婚約者のことなんてルカに言われてようやく思い出したくらいだ。
「……そうでした」
ルカはニコッと笑って、それからリーゼロッテの腹にのせた手のひらに力を込める。
「フィドラーの森では、恋人はいなかったのですか?」
「いっ……いないわ」
「それでも、あなたは美しい……当然、懸想する男はいたはずだ」
ルカはゆっくりとリーゼロッテに顔を寄せる。
(美しい、だなんて……)
懸想する男なんていた記憶はないが、昔のルカはそんなことを言ってくれなかったので、自然と頬に熱が集まってしまう。
頬を染めてうつむくリーゼロッテを見て何を思ったのか、ルカは不愉快そうに眉を顰める。
「──念のため、確かめさせてください」
そして夢うつつ気味のリーゼロッテに、そんなことをささやいた。
確かめるとは、なにを?
首をかしげた次の瞬間、彼の手がドレスの裾を割ってきて、仰天してしまった。
「ル、ルカ!?」
慌ててその無礼な手をつかんだが、びくともしない。
ルカはリーゼロッテの動揺など軽く無視してたっぷりのレースやフリルを器用にかきわけ、するすると手を太ももの奥へと滑らせてしまった。ドレスの下のペチコートをかきわけ、ガーターの上を通過し、彼の指はさらに奥へと向かっていく。
彼の無遠慮な手から立ち上がって逃げようにも、もう一方の手で肩をしっかりと抱かれ、それもかなわない。
「待って、ルカッ……」
「夫になる俺には、あなたが処女かどうか確かめる権利があるのですよ」
そしてリーゼロッテの頬にちゅっと音を立ててキスをした。
「リーゼロッテ様のここは、どうなっていますか?」
ルカはまるで寝かしつけるような優しい声で、下着越しに秘部を撫で始める。
「あっ……」
彼の指が下着の上をなぞった瞬間、びくんっとリーゼロッテの体が震える。
いったいどうなるのだろうという不安と、それからほんの少しの期待。なによりルカが自分に怖いことをするはずがない、という一方的な思い込みが、リーゼロッテからほんの少しの抵抗を奪ってしまった。
「ルカ、お願いだから……」
「大丈夫。優しく撫でて差し上げますからね」
ルカは何度か指を滑らせた後、そのままゆっくりと下着の中に指を差し入れる。
「っ……!」
彼の指がしたばえをかきわけ、指がゆっくりと割れ目をなぞる。
「自分で触ったことは?」
「さわ……? や、そんなことっ……」
指の感触にぷるぷると首を振ると、彼の指がさらに奥へと進み、ひだをかきわけながら蜜口へと移動する。
「ここにね、俺の男根を入れるんですよ」
と、低い声でささやいた。
「え、は……あっ……」
彼の指が、トン、トンと蜜口を叩く。そのかすかな振動に、リーゼロッテは訳が分からないくらい興奮して頭が真っ白になっていた。
「入れるって……えっ……? 入るわけないじゃないっ……」
茫然としつつ、リーゼロッテが首を振ると、
「いいえ、入ります。濡れ始めていますし……ほぐせばちゃんと受け入れられますよ」
ルカはそう言って、中指で蜜口をくすぐり始めた。
「ンッ……あっ……」
くすぐったいような、腹の奥から今まで感じたことがない淡い痺れる快感が広がっていく。それから彼の指は花びらを丁寧になぞり、つまんだりくすぐったりした後、ぷっくりと膨れ上がった蕾をそうっと指でつまみあげる。
「ひあっ……!」
「ここは女性の体で一番感じやすいところなんです。こうやってつまんだり、しごいたり、揺さぶると……ほら、気持ちいいでしょう?」
「あっ、アッ、や、っ……やめっ……」
突然のルカの愛撫に目の前が真っ白になる。
だが体は素直にルカから与えられる快感を確実に拾っていて、腹の奥からとろとろと何かがこぼれる感触があった。
「大丈夫ですよ。怖くないですから……優しくしますから……俺のことは、あなたを気持ちよくする道具だと思って、身をゆだねてくださればいい」
「えっ、そんなルカのことを道具って、そんな、ああっ……!」
そしてルカは身をかがめるようにしてリーゼロッテの耳を唇に含み、ちゅうちゅうと音を立てて吸い始める。

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