私が死ぬと死んでしまう王子様との案外幸せな日常について
- 著者:
- クレイン
- イラスト:
- 閏あくあ
- 発売日:
- 2024年03月05日
- 定価:
- 847円(10%税込)
お前が死んだら僕も死ぬんだぞ! わかっているのか!
魔女狩りで捕まったグレーテは不治の病に冒されたマティアスに、命を共有する『伴侶魔法』をかけるよう強制される。魔法陣にグレーテが触れるとなぜか成功し、マティアスの病は完治し健康に……。だが、この魔法にはとんでもない仕掛けがあった。魔女以外と性的接触をすると股間に激痛が走り、捥げる!? らしい。「……つまりはお前も、僕以外の男には触れられなくなってしまったということか」仄暗い独占欲を示すマティアスは呑気に笑っているグレーテの肌に触れ……。
潔癖ツンデレ王太子×メンタルつよつよ魔女、世界から隔離された塔で、命を共有するふたりの恋愛事情。
グレーテ
古の魔女の血を引く薬師。優しく呑気でたくましい少女。マティアスの事情を受け入れ前向きに塔の幽閉生活に馴染む。
マティアス
『伴侶魔法』で健康になれたが、人の理から外れてしまったことに苦しむ。グレーテを塔に幽閉しているが本当は……。
そこに見える男性の象徴に、グレーテは思わず大きく目を見開いてしまった。
薬師としてその場所を見ることは、初めてではない。
だがこんな邪な気持ちを持って見ることは、初めてだったのだ。
(すごい……あんなに大きく反り立って……)
こんなに立派なものを見ることも、初めてだった。
あんなものが自分の中に入るのだろうか。そう、物理的に。
(無理なのでは……!?)
グレーテは率直に思った。麗しき王太子殿下の股間にあんな凶悪なものがついているだなんて、誰が思うだろうか。
(いや、きっと大丈夫。いざとなれば女性の膣は赤ん坊だって通るんだから……!)
「お前……そんなまじまじと見るなよ……」
呆れたような声に、グレーテは正気に戻った。
あまりにも無遠慮に、むしろ食い入るようにマティアスの股間を凝視してしまった。
「すみません。つい……」
乙女にあるまじき行動である。さすがのグレーテも反省した。
マティアスがまた、グレーテに手を伸ばす。
そして一度強く抱きしめた後、先ほどさんざん吸われたがためにぽってりとした唇を優しく触れ合わせる。
やがてマティアスの手が、グレーテの肌を滑り出す。
確かめるようにその線を辿り、胸のわずかな膨らみを柔らかく揉み上げる。
「や、くすぐった……。んん」
マティアスの手が微かに触れるたびに、胸の先端に甘い疼きが走る。
ちらりと見てみれば、そこは触ってほしげに色を増し、ツンと勃ち上がっていた。
うずうずと掻痒感に似た感覚があった。グレーテはもじもじと体を捩らせる。
「ここ、ぷっくりと膨らんでいるな」
楽しそうにマティアスが言って、胸の頂を指先で弾いた。
「ひゃあ……!」
欲しかった場所に欲しかった刺激を与えられ、グレーテは小さく体を跳ねさせて眉を下げる。
思った以上に気持ちがいい。自分の体はいったいどうなってしまったのか。
マティアスの指先が、色づいた縁をくるりと回り、硬く痼ったその頂を優しく撫でた。
「んっ……んんっ」
そのたびにグレーテはビクビクと体を震わせる。気持ちがいいことはいいのだが、優しすぎて物足りなくなってくる。
(もっと強い刺激が欲しい……)
そんなことを思い、そんなことを思ってしまった自分にびっくりする。
「でんか……」
そしてマティアスを呼べば、どこか媚びを含んだ声音になってしまった。
すると彼は、指先でグレーテの胸の頂を摘み上げる。
「あっ……!」
待ち望んだ強い刺激に、グレーテは快感のあまり声を漏らす。
不思議と下腹までもが内側にきゅうっと収縮する。
グレーテの反応に気を良くしたらしいマティアスは、さらにグレーテの胸の尖を指の腹で摩り、押し込み、摘み上げた。
「や、ああっ……!」
思わずグレーテは背中を反らし、身悶える。
するとマティアスは己に押し付けられた胸の先端に唇を寄せ、舌で舐め上げ、口に含み、歯を当てた。
熱く濡れた新たな刺激による強くわかりやすい快感に、グレーテは逃げようと身を捩る。
これ以上はおかしくなってしまう。こんなにも胸が性感帯だなんて、知らなかった。
人体にはまだまだ、グレーテの知らないことがあるようだ。
「グレーテ。お前も初めてのくせに、随分と感じやすい体をしているじゃないか。さすがは淫蕩の魔女だな」
あまりにも酷いマティアスの言葉に、グレーテの目に涙が浮かぶ。
悲しいのに、体はさらに熱を持って彼を欲しがってしまう。
だがマティアスはグレーテの涙に慌て、彼女の体から手を離す。
「……酷いです。私、淫乱魔女なんかじゃありません……」
「さ、さすがにそこまでは言っていないが。すまない。ついお前をいじめたくなって……」
確かに世の中には、そう言った特殊な性癖の方もいるという話を聞いたことがあるが。
残念ながらグレーテには被虐趣味はない……はずだ。
「お前が感じやすいと、僕は嬉しいだけだ」
「本当ですか? チョロい女だとか馬鹿にしてたりしてませんか?」
「……しているわけがないだろう。僕だってお前に興奮しているんだからな」
言われてみれば確かに、マティアスのものは大きく勃ち上がりくっきりと血管が浮き出ており、先端からはとろりとした透明の先走りが滲み出ている。
「……確かに」
「だからそうまじまじと見るな……! お前には恥じらいはないのか……!」
薬師だったグレーテは診察のため人の裸を見ることに抵抗がなく、それどころかまたしてもうっかり医学的興味で食い入るように見てしまった。
「すみません。つい」
「……頼むから黙っていてくれ……気が削がれる……」
なにやらマティアスが可哀想になってきてしまい、グレーテは大人しくしていることにした。どうやら自分には壊滅的に色気がないらしい。
マティアスが気を取り直し、またグレーテにのしかかってくる。
そしてよく鍛えられた腕をグレーテの脚の合間に差し込むと、大きく割り開かせた。
そのとき、くちゅり、と粘着質な水音がした。
月のものとは違う、何かが滲み出るような感覚があった。
(これが濡れるってことね……!)
おそらく口に出したら台無しになるだろうことを、グレーテは思った。
人生何事も経験である。この立場にならなければ、ずっと知らないままであっただろう。
マティアスの指が、両脚の間にある割れ目に触れた。
自分でもめったに触ることのないその場所に、マティアスが触れている。
そのことに、思った以上に衝撃を受けている自分がいた。
医療に携わっている以上、人間の生殖についても一通り学んでいる。
だからマティアスのその行動が、なんらおかしくないことはわかっているのだが。
知識と実体験では、全く違う話なのである。
やがてマティアスの指が、慎ましやかにぴたりと閉じたその割れ目をなぞるように動いた。滲み出ている蜜で、彼の指が滑らかに動く。
「あ、ああ……」
強い快感に、グレーテの腰が震える。やがて割れ目にその指がつぷりと沈み込んだ。
そしてグレーテの内側をぬるぬると探り、やがて熱を持ち硬く痼った小さな突起を見つける。
「――っ!!」
あまりに強い快感に、グレーテは体をのけ反らせた。
グレーテの激しい反応に、マティアスが嗜虐的な笑みを浮かべた。
美しさも相まって凄みがあり、非常に怖い。
気分はすっかり肉食獣に襲われる前の、小動物である。
「やん、あ、ああああ……!」
強い快感は、時に苦しい。堪えきれずグレーテは脚を閉じようとするが、その合間にマティアスの体が割り込み閉じることができない。
快感を逃すことができず、グレーテは身を捩らせる。
だがマティアスは容赦なくその敏感な神経の塊を擦り、押し潰して、甚振り続ける。
「や、あ……! もう、だめ……ゆるしてください……!」
苦しさに思わずそれを与えている本人であるマティアスに、助けを求めてしまう。
だがもちろんマティアスが助けてくれるわけもなく。
むしろにっこりといい笑顔を浮かべ、彼はさらに執拗にグレーテの体を弄び始めた。
逃せぬ熱が下腹部に集まり、グレーテを苛む。
徐々に追い詰められ、何かが迫り来る。これまで感じたことがない感覚。
胎が内側に引き絞られるような、そして何かが弾けてしまいそうな。
「やああああ……!」
そして強めに陰核を押し潰された瞬間、凄まじい快感の奔流がグレーテを襲った。
ビクビクと秘部が激しく脈動し、それに合わせてまるで陸に打ち上げられた魚のように体を跳ね上げてしまう。
だがマティアスに強く抱き込まれ快感を逃すことができず、長い時間快感に翻弄されて。
やがて掻痒感のようなものが、全身に広がった。