初恋をこじらせた堅物騎士団長は妖精令嬢に童貞を捧げたい
- 著者:
- 百門一新
- イラスト:
- 千影透子
- 発売日:
- 2023年10月05日
- 定価:
- 847円(10%税込)
俺の婚約者が可愛すぎるっ!!!
妖精の末裔クリスティナは、かつて出会った騎士・アレックスに憧れて、気づかぬうちに魅了の「呪い」をかけてしまったらしい。それから五年間クリスティナを想い童貞を貫く彼の呪いを解除するために、かりそめの婚約&同棲をすることに!? アレックスがクリスティナを大事にし好きだと言うたび、クリスティナはこれも魅了の呪いが言わせているのだと悲しくなってくる。そんな時、興奮しすぎたアレックスの苦痛を和らげたくて、彼に肌を許すが――!?
堅物童貞騎士団長×けなげなご令嬢、こじらせ両想いラブロマンス。
クリスティナ
妖精の末裔である子爵家の令嬢。自身の「魅了の呪い」を恐れて社交界を避け、引きこもっている。
アレックス
名門伯爵家の子息であり王太子の右腕として活躍する騎士団長。硬派で女性の噂一つないが……?
「私がいるから、こうなってしまったのでしょう?」
「えっ、そ、それはどういう──」
「私が呪いをかけた本人だからそこが反応してしまっているんですよね!? 勝手にそんなふうになって、大変困っていることかと思います!」
羞恥を覚悟でそう謝罪した。
「責任は取りますっ、どうすればアレックス様の苦しさが解消されますか!? あ、あの、私こういう時の対処法など分からなくて、呪いをかけてしまって本当にごめんなさいっ」
人も呼べないので、ここはクリスティナが頑張るしかない。自分のせいなのは分かるので、どうにかしてあげなければならないという気持ちがあった。
とにかく彼が心配だった。一刻も早く苦しさから解放してあげたい。すると──ぶちり、と音がした。
何かしらとクリスティナが思った時、アレックスの喉仏が上下した。
「実を言うとだな、俺も、恥ずかしいわけで……」
「で、ですよねっ、見てしまってごめんなさい!」
「いや、だから、君のも見ればおあいこだと思うんだ」
「……はい?」
クリスティナは、何を言われているのか分からなかった。
考えようとしている間にもアレックスが立ち上がり、手を取られていた。
「君の誠意はしかと受け取った。……それなら、一緒に苦しさを解消してくれないか?」
「え?」
一緒に、という言葉に疑問を覚えた直後、クリスティナは彼に抱き上げられた。
逞しい異性の腕に抱えられたのは初めてで、いとも簡単にそうされたことにも驚いて身体が固まった。
彼が歩き出し、ダイニングの向こうにある寛ぐための生活空間へと移動する。
「あ、あのっ」
戸惑っている間にもソファに横たえられ、アレックスが乗り上がってきた。
「ああ、君が俺の屋敷のソファで横になっているなんて」
横にしたのは彼なのに、変なことを言う。
クリスティナはそんなことが思い浮かんだものの、見下ろされていることを意識した途端に、彼の下にいることを実感して恥じらいが込み上げた。
スカートが乱れてしまっているのが見えて、ハッとして両手で下ろす。
「いったいどうし──」
「隠さなくていい。今から脚も見えてしまうから」
「えっ?」
彼が押さえつけるようにのしかかってきた。右の手首も摑まれてソファに固定され、身動きが取れなくなってしまう。
「初めてで戸惑いはあると思うが、俺を信じて」
何を、と思った時、見えない場所で彼のもう一方の手が衣装を探った。
「ア、アレックス様? 何を……ひゃっ」
彼の手を脚に直に感じた。まさかと思っていたらスカートがめくり上げられ、大きな掌が膝のくびれをなぞり、太腿まで撫でていく。
彼の手が、脚に触れながらスカートをたくし上げているのだ。
「ほら。こうして俺が重なっていたら、見えないから緊張も少ないだろう?」
見えないせいでかえって感触が生々しく伝わってくる気がするが、不思議と彼の言葉には納得させる力があるようにも思えた。
彼の手が、とうとう太腿の内側へと滑り込む。
アレックスに触れられると下腹部の奥が期待に疼く感じがあった。
戸惑いつつも、その未知の感覚を知りたい気もして、『信じて』と言った彼の言葉を信じて待ってしまった。
すると、力が少し抜けた脚にそれを感じ取ったのか、彼が開かせるようにすりすりっと内側を撫でてきた。
(あっ、そんなところ、触られたことないのに……)
クリスティナの身体が、彼の手の動きに小さく反応する。
身体がはねたのは、彼の胸板からも伝わっただろう。そう思うと恥ずかしくなって視線を逃がしたら、思いもしない言葉が返ってきた。
「ぴくっとしたな、可愛い」
「……かわ、いい? 変ではないのですか?」
思わず尋ねたら、アレックスが「ぐぅ」と唸った。
「変ではない……その、はねてしまうものなんだ……──こうすると、もっと」
不意に彼の手が、脚の間にある敏感な場所に触れる。
「あっ」
そこがなんなのかは、クリスティナも知っている。
「だ、だめです」
咄嗟に身を起こそうとしたが、アレックスが肩口に顔を埋め、暴れるクリスティナをあっさり押さえ込む。
「俺のと同じで、ここを刺激してあげると君も気持ちよくなれる」
言いながら彼の手がそこで動く。柔らかな花園を、指で優しくこすられ始めた途端、彼女の身体に異変が起こった。
(あっ……何?)
中がひくつくような、奥が僅かに切ないような感じがする。
「あぁ……触っては、だめ……っ」
ぞくぞくっとした感覚が走り抜けて、思わず彼のジャケットを握った。
アレックスはそんなクリスティナの反応を見ながら、強弱をつけてそこを撫でたり引っかいたり攻め立ててくる。
クリスティナは、初めての快感に戸惑った。
けれど身体の方は素直で、彼女が無意識に身をよじると、快感が一層奥へとじんわり広がって腰が勝手に揺れた。
「敏感なんだな、もう濡れてきた」
彼の指が立てられ、確かめるみたいにくちゅくちゅと下着越しにいじってくる。
その言葉に自分の状態を察して、クリスティナはかぁっと赤くなった。
「こ、これは、そのっ」
「男女の行為をする時に出る蜜だ。これは受け入れるために奥から出てくる必要な蜜だとは教えられたか?」
「は、はい、そう聞きました……」
「気持ちよくなると出てくる。恥ずかしいものではないのだから、気にしなくていい」
彼のしっとりとした心地よい声を聞いていると、気にしなくていいのかしらと思えてくる。
(……あら? でも、アレックス様は経験がないはずじゃ?)
そう思った時、はたと我に返る。
「あのっ、わ、私ではなくて、アレックス様の苦しさを解消するのであって」
「君にさせるのは申し訳ないし、その……こうすると俺のも解消されていくんだ」
「……そう、なのですか?」
原理がよく分からないので、彼がそう言うのなら正しいのかもしれないとクリスティナは思えてくる。
不思議に説得力があるのは、彼女が幼い頃は彼がとうに大人だったせいだろう。
その様子を見ていたアレックスが、不意に唾を飲み込む。
「……クリスティナ、君のを見たい。むしろ犬のように舐めたい」
「え?」
妙な言葉が聞こえたように思えた。
その次の瞬間、スカートを思いきりたくし上げられた。あろうことかアレックスは、そのまま大きく開脚させる。
「きゃあっ!?」
羞恥で考える余裕は吹き飛ぶ。止める暇もなく、彼は下穿きまであっという間に脱がしてしまった。
(な、なんでそんなに慣れているのっ?)
隠すものがなくなったそこを咄嗟に隠そうとしたが、それよりも彼が太腿を摑み、覗き込む方が早かった。
先程触られたせいか、開かれたそこがじんじんと脈打つ感じがした。