ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

三年後離婚するはずが、なぜか溺愛されてます~蜜月旅行編~

三年後離婚するはずが、なぜか溺愛されてます~蜜月旅行編~

著者:
春日部こみと
イラスト:
ウエハラ蜂
発売日:
2023年09月05日
定価:
825円(10%税込)
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可愛い、可愛い、
愛している、私の妻……

三年後に離婚する予定で契約結婚をしたアーヴィングとハリエットは、互いの気持ちを確かめ合い、晴れて本当の夫婦となった。それから三年、男の子も生まれ、ラブラブな日々を過ごしていたある日のこと。ハリエットの母からの手紙をきっかけに夫婦二人で異国へ行くことに。新婚旅行がまだだったことに気づいたアーヴィングは、豪華客船のチケットを用意し、夫婦水入らずのイチャイチャを期待するのだが……。二人を邪魔するかのように事件が起こりーー!?

家族以外は塩対応の人嫌い侯爵×しっかり者の若奥様、甘々新婚旅行編!?

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登場人物紹介

ハリエット

ハリエット

元々は契約離婚だったが、一波乱ののちアーヴィングと結ばれ、男児を産んだ。幸せな日々を送っているが……。

アーヴィング

アーヴィング

ハリエットと結婚して幸せいっぱいだが、仕事が忙しすぎるのが悩み。我が子への接し方も分からず悶々としている。

深淵の黒き炎【ダークフレイムオブジアビス】

深淵の黒き炎【ダークフレイムオブジアビス】

通称クロちゃん。とても賢い愛獣。今回もかわいいを振りまいている。

お試し読み

 甘い吐息が耳朶を擽る感触に、アーヴィングは目を細めた。
 吐息の主は、最愛の妻ハリエットだ。向かい合って座った状態で睦み合うこの体位は、彼女のお気に入りだった。身体がアーヴィングと密着するから安心するらしい。
(そんな可愛いことを言われたら……!)
 睦み合うたびにこの体位を取り入れてしまうというものだ。
「ん……、ぁっ、はぁっ……!」
ゆるゆると腰を上下させていたハリエットが、色っぽく喘ぎながらアーヴィングの首にしがみ付いてくる。夫の聳り立つ雄蕊を根本まで咥え込んだせいか、白い内腿が微かに戦慄いているのが分かった。その柔らかな脚を労るように撫でながら、アーヴィングは彼女の耳腔に息を吹き込むようにして囁く。
「上手に挿れられましたね」
 耳はハリエットの弱い場所の一つだ。案の定彼女はビクンと顎を反らし、背中をブルっと震わせた。それと同時に蜜筒もきゅうっと収斂し、膣内に収まった肉棹を食い締めてきたので、アーヴィングはその快感をうっとりと味わう。
(ああ、最高だ……)
 ハリエットとの情事は、いつも頭の中が溶けてしまうのではないかと思うほど気持ちがいい。恍惚のため息をつきながらハリエットの華奢な背中を撫でていると、彼女が身体を起こしてキスをしてくれた。小さく柔らかい唇を食み、歯列を割って甘い口内を味わう。
(……どうして甘く感じるのか)
 ハリエットの唇も、舌も、その唾液すらも甘露のように甘い。人の体液が甘いわけがないと頭では理解しているのに、それがハリエットのものだと思うだけで甘く感じるのだから、人間とは不思議だ。愛情によって知覚すら変わってしまうのだと思うと、恐ろしい気もする。
(君に銃で撃たれたとしても、私は痛みを感じないかもしれないな)
 彼女が与えてくれるなら、痛みすら甘美な快感に変わるのだろう。
 愛妻に殺されそうになる光景を想像したら、興奮して一物がビクビクと動いた。我ながら変態である。
「んっ、んぁっ!」
 その動きに反応したハリエットが艶めいた鼻声で鳴いて腰をくねらせ、プリプリとした蜜襞が吸い付くようにアーヴィングの雄に絡みつく。
「っ……!」
 快感が背筋を駆け抜けていく感触に、堪らず腰を動かした。
「ぁっ! あっ、ひ、ぁあっ、あんっ!」
 いきなり下から突き上げられ、ハリエットが甲高い嬌声をあげて身を仰け反らせる。その柳腰に片腕を巻きつけて支えると、アーヴィングは目の前でぶるぶると揺れる丸い乳房をもう片方の手で鷲摑みにし、その薄紅の頂を指で摘んだ。
「んっ、ああっ!」
 弱い場所を苛まれて悩ましく歪めるその顔も可愛らしい。
「ああ、可愛い……可愛い、可愛い、ハリエット……どうして君はそんなにも可愛いのだろう……」
 腰を振りたくりながらそんな譫言を呟いていると、愛妻が恥ずかしそうに眉を顰めた。
「ぁっ、も、もうっ、は、ぁあんっ、アーヴィングっ……」
 アーヴィングはうっとりとその困り顔を見つめる。愛妻の眉を下げたこの表情が堪らなく好きだ。可愛くて愛しくて、彼女の顔に齧り付きたくなる。
「そんな……可愛い顔をしないで、ハリエット……。ただでさえ私の頭がおかしくなっているのに、そんな顔をされると理性が吹き飛んでしまう……」
 言いながら、アーヴィングは妻の柔らかな頬に齧り付く。
「きゃあっ!」
 無論、強く歯を立てたわけじゃない。痛みを感じさせないように、滑らかな皮膚にそっと歯を押し当て、もっちりとしたその感触を楽しむ。舌を這わせてその味を堪能していると、ペシっと頭を叩かれた。
「アーヴィング! もう! 変態!」
 妻の涙目の罵倒に、ぞくん、と下腹の奥が疼く。
「……もう一度言ってくれないか」
「えっ? な、何を……」
「もう一度」
「へ、変態って言えば良いのですか? っ、あ、ぁあ! お、おっきく……!? どうして!」
 愛する妻の可憐な口から飛び出した『変態』という言葉に、一物がさらに質量を増してしまった。それを内側に吞み込んでいる彼女には如実に伝わってしまうようで、悲鳴をあげて身悶えする肢体を両腕で抱くと、アーヴィングは欲望のままに腰を叩き込む。
「ひ、あ、あっ、ああっ、あっぁ……!」
 身体をピッタリと密着した状態に、多幸感が高まる。ハリエットの肌は自分よりも少し体温が低い。だがすぐに自分の熱と混じり、溶け合うように同じ温度になる感触が、アーヴィングは好きだった。首に縋りついてくる彼女の必死な様子も堪らない。彼女の全てが自分に委ねられた状態でその身体をいいように暴く行為に、独占欲と庇護欲を同時に満たされて、麻薬のような陶酔感がアーヴィングの脳内を侵食していく。
「ああ、ハリエット……君の中、熱くうねって、私に絡みついてくる……最高だ」
 譫言のように呟きながら、彼女の唇に貪るように嚙みついた。

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