ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

偽りの護衛は聖女に堕ちる

偽りの護衛は聖女に堕ちる

著者:
ちろりん
イラスト:
緒花
発売日:
2022年10月05日
定価:
836円(10%税込)
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穢して、俺だけのものにしたい。

政治的な思惑で「聖女」に祭り上げられ、王太子妃候補となったローレン。彼女はある日、命を狙ってきた刺客に短剣を突き刺したショックで心を閉ざしてしまう。だが、護衛のシリウスだけはローレンに寄り添い、快楽という癒やしを与えてくれた。ローレンは彼と淫蕩に溺れるたびに、聖女の呪縛から解き放たれて、生きる喜びを知っていく。もう「聖女」には戻れないほどに。けれど、王太子との婚約が正式に決まったことで、シリウスとの関係に変化が生じ……!?

本心の見えない冷徹な護衛×利用される聖女、密令のために近づいた男は、少女の愛に溺れて――!?

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登場人物紹介

ローレン

ローレン

父の政治的な思惑で「聖女」に祭り上げられてしまう。自分が傷つくよりも他人が傷つくのを恐れる優しい性格。

シリウス

シリウス

偶然ローレンを助けたことが縁で彼女の護衛となる。他人を優先するローレンの生き方に何か思うところがある様子。

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「ときに快楽は恐怖を上回る。貴女が今度あそこを見たときに感じるのは、恐怖ではなく……身体の疼き。燻るような快楽ですよ」
 俺に任せて、と耳元で囁くシリウスの声にローレンは熱い吐息を吐き、ゆっくりと頷いた。
「目を、閉じていてください」
 ローレンは頷き、目を閉じる。すると、ベッドの腰の辺りが沈み、軋む音が聞こえてきた。
 シリウスが上に覆いかぶさっている。視界が閉じられているために、彼の気配を敏感に感じてしまい、息が自然と上がっていった。
「さっそく触れますが、いいですか?」
 首を縦に振ると同時に、シリウスの温かな手が下腹部から鎖骨に向けてゆっくりと移動してくる。肌触りを確かめるように滑らせては、ローレンに未知の感覚を植えつけていった。
「覚えていますか? 太い血管がある箇所」
 忘れるはずがない。短剣の使い方を教わった際、シリウスの身体に手を当てて知っていった。同時に、彼の身体の逞しさも知った。
「そこは、急所であると同時に、感じやすい箇所でもあります。ほら……他の場所より感じるでしょう?」
「……ンん」
 首の太い血管が通っている箇所を、シリウスは指でくすぐる。たしかに、彼の言う通りそこは他の箇所よりも敏感なようだ。
「腕も、みぞおちもそうですね。あとは……鼠径部。ここも感じるはずです」
「……っぁう……はぅっ……あぁ……っ」
 シリウスの身体をローレンがこうやって触ったとき、彼は平然とした顔をしていたが、本当は感じていたのだろうか。
 ただ触れられているだけなのに、声が漏れてしまうほどに快楽を得てしまうだなんて。ただ自分の身体がはしたないだけなのか。
 ローレンはシリウスの手に翻弄され、身体の変化を感じていた。
「そのまま集中していてください。俺の手のひらの皮膚の凹凸すべてを感じ取るように」
 言われた通りにシリウスの手のひらの感触に意識を持っていく。あれほど武骨な手なのに動きは繊細で丁寧で、皮膚もがさついているかと思いきや、手入れをしているのか滑らかだった。
 幾度となく手を差し伸べられたのに、まったく気づかなかった。些細なことだが、またひとつシリウスを知ることができてローレンは内心喜んでいた。
 ところが突然、乳房にも触れられる感覚がして戸惑う。
「……え? 何?」
 目を閉じているため、何をされているのか分からない。目を開けて確かめようとしたが、その前にシリウスの手がローレンの目を覆った。
「まだダメですよ、ローレン様」
「でも、何をされているか分からない状態だと怖くて……」
「では、俺がちゃんと説明しますから、どうかこのままで」
 シリウスの手が目から離れ、再び身体の上に置かれる。
「先ほどローレン様が感じた快楽を、もっと広げていきます。それこそ、身体の隅々まで、血管のように。……まず手始めに、性感帯と言われるここ……」
 そう言って指先が触れたのは、胸の頂だった。
 乳暈の形をなぞるように円を描いていく。ソワソワと肌の下が粟立つような、でも明確ではない快楽で焦らされるかのような感覚がする。
 先ほどと違うのは、快楽がじわじわと乳暈から乳首の先に集まっていく感じがすることだ。徐々にそこが硬くなり、勃ち上がっていくのが分かった。
「直接触っても?」
 周辺を触られるだけでも身体が火照ってしまうほどなのに、直接性感帯を触られたらどうなってしまうのだろう。けれども先を知りたい。
 不安と期待が入り混じり葛藤するものの、結局は頷いた。
 おそらく指の腹だろう。それが勃ち上がった乳首を甘くグリグリとこねる。
「あぅっ」
 感じたことがない大きな快楽がローレンを襲い、思わず声を上げてしまった。慌てて手で口を塞ぎ、これ以上あられもない声が出ないようにする。
 ところがそれも虚しく、甘い声はとめどなく溢れた。
「……あぁっ……ふぁっンぁ……あっ……ンぁっ」
 乳首の先を指の腹で擦られ、摘ままれて、爪で引っ搔かれて。何をされても感じてしまい、どうしようもなくなっていた。
 それだけでも精一杯だというのに、今度はぬるりと濡れた感触がする。ザラザラとしたもので撫でられて、また違う感覚がローレンを苛んだ。
「……はぁっあぁ……な、舐め……て、いるの?」
「手とはまた違うでしょう?」
「……ちが……あぁ……ちが、います……っ」
 舌で舐られるだけではなく、口で吸われている。ちゅう……と強く吸われれば、腰がビクビクと痙攣してしまうほどに痺れた。
 全然違う。でも、どちらも気持ちよくて頭がおかしくなってしまいそう。
 シリウスが愛撫を重ねれば重ねるほどに下腹部が切なくなっていく。じっとしていることができなくて悶えるように脚を動かせば、秘所から濡れた音が聞こえてきた。

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