呪われ騎士は乙女の視線に射貫かれたい
- 著者:
- 八巻にのは
- イラスト:
- なま
- 発売日:
- 2022年02月03日
- 定価:
- 814円(10%税込)
「君のその眼差しを俺にくれ!」
騎士ヴェインは邪竜を倒して救国の英雄となったが呪いのせいで禍々しい痣が顔に刻まれてしまう。人々に忌避されるようになったヴェインを絵描きの令嬢ノアは少しも怖がらず、彼の姿絵を描くために真剣でまっすぐな視線を向けてくる。そんな彼女の視線にヴェインは「君の目に射貫かれると身体が興奮してたまらない!」と一目惚れ! ある事情で自己評価が低いノアは「ありえない」と冷静に対応するのだが、それがよりいっそう彼を煽ってしまい……!?
竜殺しの英雄×絵描きの令嬢――見たい少女と見られたい男の“見つめ愛”。
ノア
十歳で神童ともてはやされた宮廷画家。絵を描くこと以外には無頓着。優しいヴェインに創作意欲を刺激されて……。
ヴェイン
強面な騎士。邪竜退治の際、呪いを受け禍々しい痣がある。人間離れしていく自分を恐れていたがノアに出会い……。
ヴェインの指が、ぬぷりと隘路に滑り込む。
執拗なほど繰り返された準備のおかげで、ノアは中でも感じられるようになっている。
隘路は指を容易く飲み込み、その数を増やされるたび喜びに戦慄いていた。
でも今日はそこに、物足りなさが加わっている。
(指もいいけど、欲しいのは……これじゃないみたい……)
そんな思いと共に、ノアの視線がヴェインの身体へと向けられる。無意識に下腹部へと視線が向いた瞬間、ヴェインが僅かに慌てた。
隘路への手を引き抜き、慌ててノアの視界を手で覆った。
「なんで、隠すの……?」
「君の視線は、俺にとっては凶器にも等しい。そんな蕩けた目で見つめられたら、入れる前に果ててしまう」
「いつもは見てほしいって言うのに……」
「見てほしい気持ちは今もある。でもノアは今すぐ俺が欲しいんだろう?」
頷くと、ヴェインはノアの唇をそっと奪った。目を覆われたままのキスは、それはそれでゾクゾクして、ノアの身体が妖しく揺れる。
「できたら少しだけ、目を閉じていてくれ」
その言葉と共に、何か熱い物がノアの入り口をこすりあげた。
ヴェインの生殖器だとわかったが、なんだか想像よりもずっと大きく感じる。
彼はいつも下着を外さなかったし、服を脱いだときも観察する余裕はなかったので、しっかりと見たことはなかった。
でも執拗に準備をしていた理由が今になってようやくわかる。
「……怖いか?」
尋ねられ、ノアは首を横に振る。その大きさに驚いたのは確かだけれど、怖さより期待のほうが今は上回っていた。
「……大丈夫。それより、どうすればいい……?」
大きな物を受け入れるのはきっと大変だろうと察し、ノアが尋ねる。
そうするとヴェインが、ノアの足を持ち上げ太ももを大きく開かせた。
「このまま、力を抜いていてくれ」
頷くと、ヴェインの先端がノアの入り口をぐっと押し開く。
毎日の準備で、ノアの中は初めてとは思えないほどほぐれてはいたけれど、それでも圧迫感と僅かな痛みが走る。
「……ッ、く……」
「すまない、痛むよな……」
「大、丈夫……」
痛いけど、耐えられないほどではないし余裕もある。
それよりもヴェインと繋がれることが嬉しくて、ノアはそっと微笑んだ。
「平気……。それにもっと奥まで……きてほしい……」
「そんなことを言われたら、なけなしの理性が狂うだろう」
いつになく切迫した声が響いた直後、ずんっとヴェインの物が奥深くへと滑り込む。
痛みはさほどなかったが、それでも息が止まるほどの圧迫感に呻き声が漏れる。
「お、おきい……」
「君が可愛いことを言うからだ」
そして、てっきりもう終わりかと思ったら更に奥までヴェインの物が入り込む。
「く、あ……ッ、深い……」
「まだ、だ……」
「あッ、あ……、おお、きいよ……」
ヴェインの物が中に進むたびに激しく乱され、苦しさに身をよじってもなお終わりが見えない。さすがにまずいと思ったのか、ヴェインが動きを止めた。
「もう、終わ……り……?」
「今日は、ここでやめておこう。もう十分、君は受け入れてくれた」
ヴェインの声はどこか辛そうだった。だからノアは彼へ手を伸ばす。
「だめ……、最後まで……欲しい」
「さすがにこれ以上はかなり痛むと思う」
「いいの。痛くても平気……」
中途半端は一番嫌だと思いながら伸ばした手は、ヴェインの肩に触れたようだった。そこをぎゅっと掴み、余力を振り絞って自分に引き寄せると、ヴェインがぐっと呻く。
「なら、最後は一気に行く……」
頷いて、ノアは彼の肩に縋りつく。
その直後、全身を駆け抜けたのは激しい痛みだった。
「……ッ!!」
想像の何倍も苦しいが、それでも耐えられたのは、ヴェインの身体がノアの身体に密着するほど重なったからだろう。
「全部、入ったぞ……」
苦しくなるほど中を埋め尽くされ、肌が重なるとなんだか泣きたいほど幸せだった。
「このまま、少し慣らそう」
「……目、開けても……いい?」
「……よくはないが、たぶん大丈夫だ」
覚悟を決めるように息を吐き、ヴェインが「いいぞ」と許可をくれる。
そっと目を開けると、飛び込んできたのは熱情を宿した凛々しい相貌だった。
「君の中は、すごく温かい」
「きもち、いい?」
「いいよ。よすぎて辛いくらいだ」
こぼれた笑みは幸せそうで、ヴェインもまた自分と同じ気持ちなのだとわかる。それが何よりも、ノアは嬉しかった。
「ずっとこうしていたい」
「私も……」
しかし一方で、まだ何かが足りない気もする。
「そういえば、動かなくて……いいの?」
「……いや、それは」
「本には、いっぱい動くって……書いてあったよ?」
「まあそうだが、さすがに痛むぞ」
「いい。私、痛いのには強いから……」
たぶん感じるのは痛みだけではない。そんな予感を覚えながら、ノアは自分の顔を不安げに覗き込んでいるヴェインの唇をそっと奪った。
「……それに痛いなら、キスしながら動いたらどうかな?」
ヴェインのキスはいつもとても気持ちがいいから、きっと痛みなんて吹き飛んでしまう。そんな無邪気な考えからこぼれた言葉は、どうやらヴェインの理性を吹き飛ばしたらしい。
「君は本当に……!」
言うなり深々と唇を奪われ、同時にヴェインが腰を揺らす。彼の物が動くと、確かに痛みはある。けれどノアは、どうやら隘路を刺激されるのが弱いらしい。
「ん、……っあ、ああ、ン……ッ」
キスの合間にこぼれる声は甘さを増し、痛みを越えて愉悦がじわじわと滲み出す。
抜き差しされるヴェインの物は更に大きくなっていくように感じたけれど、圧迫感にもだんだんと慣れ始めていた。
次第に腰を穿つ音が大きくなり、ノアの小さな身体は激しく揺さぶられる。
ぱん、ぱんと音を立てながら肌が打ち合い、中をえぐられるうちにノアの中から痛みはすっかり消えていた。