冷徹辺境伯の監禁愛
- 著者:
- 水野恵無
- イラスト:
- 八美☆わん
- 発売日:
- 2021年10月05日
- 定価:
- 792円(10%税込)
君はこれから
俺に飼われるんだ
寡黙で冷徹な辺境伯ハロルド。整った美貌と長身のせいで威圧感がある彼を恐れる使用人が多い中、メイドのアイリーンだけはハロルドに敬意を向けていた。そんなハロルドから突然求婚されてアイリーンは困惑するが、彼のまっすぐな愛に心揺さぶられてしまう。しかし想いを受け入れるには身分差がありすぎる。身を引く決意をしたアイリーンを、ハロルドは塔に閉じ込め媚薬を飲ませて純潔を強引に奪い、ペットとして側にいるよう命じて――。
寡黙な辺境伯×純真なメイド、まっすぐな愛は執着へと変貌して――。
アイリーン
オールドフィールド城で勤めるメイド。ハロルドを恐れることなく敬愛し、真面目に仕えることに誇りを持っている。
ハロルド
オールドフィールド辺境伯として辣腕をふるい信頼あついが、無表情かつ寡黙で冷徹ゆえに使用人に恐れられている。
「美しいな、アイリーン。全て俺のものだ。もう遠慮はしない」
ハロルドはボタンを引きちぎるような勢いで上着とシャツを脱ぐと、もどかしげに丸めてベッドの下に放り投げた。鍛えられて逞しい筋肉と健康的に日に焼けた肌が現れる。
浴室でのお世話で何度も目にしているのに、今はその肌がどうしてか恐ろしく感じてしまう。アイリーンが小さく身体を震わせると、首元の鈴が微かな音を立てる。
「あっ、やあっ」
仰向けに寝転んでなおその重量感を失わない大きな胸を、ハロルドの大きな手がすくい上げるように包んで揉みしだき、その頂点を指で摘まみ上げられた。
柔らかな肌にハロルドが吸いつき、アイリーンは「んっ」と小さな声を零してしまう。チクリとした痛みを肌に感じると、唇が離れたそこは赤く華が咲いたようになっていた。
キスマークだった。
こっそりと友達に見せてもらったことがある。そのときは、あまりに生々しい情事の証拠に驚き、すぐに目を逸らしてしまったが。
愛の営みによってつけられる痕だと思っていたが、アイリーンの肌に刻まれたのはハロルドの所有物である証だとしか思えなかった。
アイリーンは必死に身体を捻って逃げようとするが、ワンピースに腕が自由を阻まれているうえに、ハロルドに圧しかかられているためうまくいかない。小さな抵抗などまったく意味をなさず、ハロルドにいくつか痕をくっきりと白い肌に刻まれた。
その間も指で刺激を与えられ続けた胸のピンク色の頂はぷっくりと膨れて硬くなり、それにハロルドがつつぅと舌を這わせた。
「……や、めっ」
制止の声を上げたときには、片方の頂をぱっくりと咥えられていた。熱い口内に敏感なところが包まれて肌が粟立つ。柔らかく歯を立てられ、ちゅうっと吸われ、高い声が漏れてしまう。なぜか指で広げられていた秘部まで、びくんと痙攣した。
「や……っ、まって、おねが……っ」
アイリーンの悲鳴のような制止に、ハロルドはちらりと視線を向けたがやめることはなかった。胸の頂をねっとりと舌で嬲られ、反対の胸も彼の指が絶妙な強さで刺激をしてくる。彼が頂を舐めるたびにぴちゃりと淫らな音が響き、耳からも掻き乱されてしまう。
「あ……っ、ふ、んんっ」
鼻から抜けるような甘い声が上がる。
ハロルドから与えられる刺激に、ぞくぞくと身体の芯が震えて止めることができない。身体の震えに合わせて、ちりんちりんと鳴る鈴の音が追い討ちをかけてくる。
身体の反応に心がついていかない。
あそこが熱い。媚薬を入れられたときは冷たさを感じていたそこが、今は明確に熱を持っている。身体の奥から何かが溢れてこぼれてしまいそうな気がして、それもアイリーンを精神的に追い込んでいく。
逃がすことができない熱が溜まっていくことに、ただただ身悶える。
ハロルドが顔を上げたときには両胸は唾液に塗れ、窓から射し込む光を艶やかに反射し、熟れた果実のように色濃く尖りきってしまっていた。
刺激が止んだことで、ふっと身体の力が抜ける。その瞬間を狙ったかのように、ハロルドは濡れそぼった泉に指を差し挿れた。ぐぷりという音とともに、太い指が飲み込まされた衝撃に背筋が反り返った。
「いい具合に薬が馴染んできたな」
「あっ……あぁ! い、や! や、動かさな……っ」
「俺のものを飲み込めるくらいには解す必要がある」
「ふぁ、ああ……ん、んんっ」
彼の指が中で動くたび、甘やかで淫靡な刺激がビリビリと駆け抜けていく。それだけでも辛いのにハロルドはまた胸をぱっくりと咥えて、硬い先端を甘噛みしながら舌で転がした。
宙を足で蹴りながら、ただ啼くことしかできない。
涙をこぼしながら甘い声を上げ、翻弄されるばかりだ。
ハロルドの指がアイリーンの胎内である一点を掠めた瞬間、甘い喘ぎが悲鳴のような短い音に変わる。その反応にハロルドが薄く笑む。
「ここ、か」
「ひぁ! あああっ、そ、こ……っ! や、やぁぁ! こわ、こわい……っ! ひぅ、あ、ハロルドさま! ああっ、ハロルドさまぁぁっ」
「怖がるな。力を抜いて、俺に任せるだけでいい」
「やっ、ハロ……ルド、さまぁっ」
強すぎる快感に恐怖が募るが、無意識に逃げようとする身体をハロルドに押さえつけられ、結局は与えられる快楽にただ震えることしかできない。
経験したことのない嵐が身の内に吹き荒れる。
ハロルドが親指でアイリーンの入り口の上にある花芽を撫でた瞬間、呼吸が詰まり、ぎゅうっと全身に力が入る。
「あああっ、あぁー!」
ハロルドの指を挿れられた箇所から、焼けつくような熱が広がり収縮する。きゅううっと彼の指を締めつけて、淫靡な痺れが身体を駆け巡っていった。
「うまく達することができたようだな」
アイリーンを見下ろし、ハロルドは目を細めた。
「はっ……ふ、はぁっ」
息が乱れて胸が大きく上下する。
今の感覚が達するということだと知り、アイリーンは羞恥に涙を零した。
たとえ合意の上でなくとも、薬の影響による強制的に感じさせられたものであろうとも、自分の身体が快楽を享受したことを突きつけられたのだ。
「……ぁ」
何か言おうと口を開いたものの、漏れ出たのは意味をなさない嬌声。まだ達した動揺が治まっていないのに、ハロルドが胎内の指を動かしたのだ。
「い……っ、やぁ! ま、ってぇ……あぁっ」
「もう少し慣れておいたほうがいい」
熱はあれども、観察しているような、どこか冷静な声が落ちてくる。
何に慣れるためなのかを問うことすらできず、身体を震わせて鈴を鳴らしてしまう。
未だ狭く柔らかいとは言い難いアイリーンの内部に、ハロルドは三本目の指を挿入した。指の本数が増えたことで圧迫感が増し、中がぎちぎちに広げられていくのがわかる。感じるのは苦しさだけではなく、いま身体に教え込まれたばかりの快感なのだと、ろくに働かない頭で認識する。
ハロルドの指はアイリーンの秘部から溢れている液体を混ぜるようにして、ぐちゅぐちゅと音を立てながら中で蠢く。先ほど強制的に高められた場所はわざと触れずに、その周辺を掠めるように指を動かす。強烈な刺激に身体を支配されることがないかわりに、じわじわと追い詰められていくのがわかってしまう。
何もかもわからなくなるほど意識を奪うくらいに強引にしてくれれば、心が引き裂かれるほどの苦しさを感じずにすむだろう。けれど、誰に何をされているのか、アイリーンがどう反応しているのかを自覚させようとしてか、ハロルドは強い刺激を与えてくれない。
こんなにも身体を蹂躙されているのに、ハロルドがきまぐれのように口付けてくれるたびにアイリーンの胸は高鳴る。
三本の指で中を弄られ、指で入り口の粒に刺激を与えられているうちに、いつしかアイリーンはハロルドの望むままに達するようになっていた。媚薬のせいか、どれだけ達しようともアイリーンの中は悦んで刺激を受け入れる。それどころか回数を重ねるたびにその感覚は強まり、貪欲に求めるように腰が揺れてしまう。
アイリーンの心を置いてきぼりにして──。
「そろそろいいか」
ぽつりと呟かれたハロルドの一言に、アイリーンは快楽に濡れた視線を上げる。
ハロルドはぐるりと中を掻き回して指を抜く。達したばかりの身体がまた震えた。吐き出す息は熱い。
抜いてほしいと、やめてほしいと何度懇願しても一向に聞き入れてもらえなかったというのに、突然やんだ愛撫にぽっかりと空いた空洞がまるで物足りないとでもいうかのように収縮している。
ハロルドはくったりと力の抜けたアイリーンの足を持ち上げる。分厚く硬い彼の肩に足を乗せられ、何をするつもりなのかわからずアイリーンは目を瞬かせた。
そんなアイリーンを見つめながら、ハロルドは下肢を寛げた。
「……っ」
視界に入った今までに目にしたことのないものに、喉の奥が掠れた悲鳴を上げる。
ハロルドの湯の世話のとき下肢にはタオルが巻かれていたため、直に見るのは初めてだ。
太くて長くて赤黒く、血管の浮き出たそれはひどく凶暴そうに見える。達かされただけで終わりではないと、言葉よりも雄弁に悟らされた。
今からこの凶暴なものを自身に挿れられるのだ──と。