溺愛御曹司の幸せな執着
- 著者:
- 月城うさぎ
- イラスト:
- 藤浪まり
- 発売日:
- 2021年06月03日
- 定価:
- 792円(10%税込)
あの日からずっと、私は君しか欲しくない。
偶然の出会いをきっかけに、外資系の大手企業に転職することになった沙羅。自分を誘ってくれた外国人社長のライナスはいつも優しくて紳士的。けれどなぜか、沙羅に度々甘い言葉を囁いてくる。国民性の違いだろうと、勘違いしないようにしていたが……。「君を世界一幸せな花嫁にしてあげたい」と、突然のプロポーズ!? 恋愛初心者の沙羅は、引くことを知らないライナスに翻弄されて、淫らな欲望を引き出され――。だが、ライナスにはある秘密が……!?
腹黒スパダリ御曹司×恋愛初心者のアラサー女子、重すぎる溺愛に囚われて――!?
夏月沙羅(なつき・さら)
恋愛よりも仕事なアラサー女子。幸せになりたいと思いつつ自分の幸せが何かわかっていない。
ライナス
大企業の創業一家の御曹司で外国人。祖母が日本人で日本語も流暢に話す。どういうわけか沙羅にご執心の様子。
「君が気持ちいいことをしよう」
太ももの内側に顔を寄せられる。
敏感な皮膚にキスをされ、そのままきつく吸い付かれた。
「ぁあ……っ」
こぷん、と蜜が溢れた気配がした。
自分の愛液がライナスから与えられる刺激によって、どんどん分泌されていく。
太ももの内側の皮膚を舐められて、彼の頭が沙羅の秘められた場所に近づいてきた。ざらりとした舌の感触まで生々しく感じられる。
「ふ……っ、んぁ……っ」
「肉感的な太ももはずっと触っていたくなる。君に膝枕をされたら、とても幸せな夢を視られそうだ」
──そんなところで喋らないでほしい……。
声の振動も刺激となって沙羅を追い詰めていく。触れなくてもわかるほど、蜜が滴り落ちているのを感じていた。
間近で眺めているライナスにも沙羅の状況が伝わっているだろう。
柔らかな皮膚を楽しんでいた彼が、愛液の滴る場所に顔を埋めた。
「あぁッ……!」
ビクン! と腰が跳ねた。ライナスは沙羅の秘所をひと舐めし、あまつさえ零れ落ちる愛液をズズッと啜る。
自分の零した蜜を舐められて啜られるなんて、信じられないことだった。沙羅にはライナスのダークブラウンの髪しか見えないが、なにをしているかは伝わってくる。
生温かい舌が入口を突く。そんな刺激だけで、素直な身体はさらに蜜を零してしまう。
「舐めないで、見ないで、ライ……恥ずかし……っ」
逃げたいのに、ライナスに太ももを押さえられているため逃げることができない。僅かに腰を揺らしたが、それではまるでもっととねだっているようだ。
「可愛い……とても綺麗だ。沙羅はどこも綺麗な色をしている」
目がおかしいのでは? と反論したくても、口を開けば嬌声が漏れそうだ。それよりライナスに敏感なところで喋られる方が困る。
「ん……ンンッ」
蜜口を舌先で突かれ、侵入を試みられる。だが固く閉じた蕾はまだ開きそうにない。
ライナスの鼻先が沙羅の控えめに膨れた花芽を掠った。その瞬間、感じたこともない快感が駆け巡る。
「ア……ッ!」
くちゅくちゅと秘所を舐めながら、ライナスの指が花芽を刺激した。先ほどよりも強い快感を覚えて、目の前がチカチカする。
「ダメ……、ライ──ッ」
腰が跳ねて、つま先がシーツを蹴った。口が勝手にはくはくと開き、四肢が弛緩する。こぽり、と愛液がさらに分泌されたのが伝わってきた。
ライナスが沙羅の秘所から顔を上げる。彼は、沙羅の達した姿を恍惚とした表情で眺めていた。
「君に名前を呼ばれながら達する瞬間を見ることができるなんて……これほど胸が満たされるとは思わなかった。沙羅、もっと呼んで。もっと私を求めてほしい。君が望むものはすべて私が与えるから……」
ぼんやりとした思考の中、ライナスの言葉が遅れて脳に届く。
まるで、愛する人に愛を懇願しているような声音だ。だがどこか切なさも混じっているように感じられる。
──なんでだろう……。どうしてそこまで?
荒い呼吸を繰り返しながらライナスの言葉の意味を考えるが、答えは見つからない。
重怠い四肢は力なくシーツの上に投げ出されたままだ。
散々舐められて程よく力が抜けた蜜口に、ライナスが指を一本挿入する。彼の節くれだった指は太くて長い。一本だけでも存在感があり、沙羅の口からか細い声が漏れた。