蜜獄愛
- 著者:
- 富樫聖夜
- イラスト:
- 花村
- 発売日:
- 2020年04月03日
- 定価:
- 748円(10%税込)
君が憎い。私をただの男にした君が……。
姉の元夫レヴィアスに恋をしていたセルレイナは、罪の意識に苛まれていた。姉が彼を捨てて平民と駆け落ちするのを止められなかったばかりか、姉がいなくなった夜、泥酔していた彼と結ばれてしまったからだ。だがそれから一年後、セルレイナは戦地から凱旋したレヴィアスにスパイ容疑で監禁されてしまう。彼は、「検査」と称して彼女の身体を淫らに嬲り翻弄するが、その冷徹な眼差しの奥には、あの夜と同じ、情欲の炎が滲んでいて……。
若き将軍×罪に囚われた令嬢、理性を壊す執着愛!
セルレイナ
第七王女の家庭教師として王宮で働いている。本が好きで大人しい性格。レヴィアスにずっと恋をしている。
レヴィアス
セルレイナの姉の元夫で、若き将軍。戦地から戻ってきた後、セルレイナになぜか冷たい眼差しを向ける。
「奥の奥まで全部暴いてやろう」
レヴィアスはセルレイナをベッドに下ろすと、服を脱ぎ始めた。やはりここに連れてきたのはセルレイナを抱くためだったのだ。
──レヴィアス様は私に決して好意があるわけじゃない。それなのに、私を抱こうとするのは……。
──私が、お姉様の妹、だから。私とお姉様は髪の色はまったく違うけれど、顔のつくりは姉妹だけあって似ている。
セルレイナの中にナディーンの面影を見いだしてもおかしくない。
──一年前、お姉様はレヴィアス様を裏切って男と逃げ出した。戦争に行くために追いかけることができなかったのは、きっとレヴィアス様にとって悔しいことだったに違いないわ。
男として屈辱を味わったレヴィアスが、ナディーンの妹であるセルレイナに元妻の代役として憎しみを抱くようになるのも当然の流れかもしれない。
──ああ、でもこの方は決してそんなことをする人ではなかったのに!
誰よりも高潔で、公明正大な人だった。でもそれを変えてしまったのは、おそらくナディーンによる裏切り。
──きっとこれが私に与えられた罰なのだわ。
胸がギュッと締めつけられるように痛みを訴える。そんな資格などないのに。
レヴィアスは次々と服を脱いでいく。セルレイナはそれを見て恥ずかしそうに目を逸らす。
そんなセルレイナを見てレヴィアスは忍び笑いを漏らした。
「恥じらう演技か?」
「ち、違います、演技なんかじゃ……」
ついレヴィアスの方を見てしまい、セルレイナの言葉が止まった。
そこには見事なまでのひきしまった身体があった。軍人らしい力強い肉体。適度に筋肉があって、均整の取れた、美しい肉体美を持った上半身だった。
セルレイナはごくりと喉を鳴らした。
上を全部脱ぎ終えたレヴィアスの手がトラウザーズの縁にかかった。押し下げると同時に窮屈そうに押し込められていたそれが勢いよく飛び出してくる。
力強い肉体に見合った、力強い性器だった。長くて太く、お腹につきそうなくらいに反り返っている。竿の部分には血管が浮き上がり、先端はテラテラと濡れていた。
セルレイナは魅了されたようにレヴィアスの屹立を見つめる。
唇がカサカサに乾く。下腹部がかぁっと熱くなった。
すぐ我に返って視線を逸らしたが、残像が目に焼き付いて消えてくれない。
──ああ、これから私はレヴィアス様に抱かれて、あれを受け入れるんだわ。
一年前のことを思い出し、勝手に身体が準備を始める──男を受け入れる準備を。
だめなのに、心とは裏腹に身体は熱くなっていった。
「身体は正直なのにな」
すべて脱ぎ終えたレヴィアスはベッドに上がり、とっさに反対側に逃げようとしたセルレイナの腰を?んだ。
「あっ、だめっ」
「何がだめなものか。ここをこんなに濡らしておいて」
レヴィアスはセルレイナの腰を片手で抱えると、お尻側の方から脚の付け根の割れ目に指を突き立てた。
「あっ……」
どれほど濡れているか知らしめるように、わざとぐじゅぐじゅと大きく音を立てながら指を出し入れする。
「あっ、あ、んン」
たちまちセルレイナの身体から力が抜けて、無抵抗になった。セルレイナは蜜壺をかき混ぜる指の動きに翻弄され、身体を震わせる。
「ん、ああ、はぁ、あ、ん、くっ」
「ほんの少し弄っただけなのに、もうすっかり準備ができているな」
「い、言わないで、ください……」
そんなことは自分が一番よく分かっている。一年経ってもまだこの身体はレヴィアスを忘れてはいないのだ。彼に抱かれたくてたまらないのだ。子宮に子種を受け入れたくて仕方ないのだ。
──抱いて、お義兄様……いえ、レヴィアス様。私が壊れるくらいに。ああ、いっそ壊れてしまえば……。
「あっ、んっ」
レヴィアスはセルレイナの蜜壺から指を引き抜く。その感触にさえ感じてしまい、小さな喘ぎ声を漏らしたセルレイナを、レヴィアスはうつぶせに下ろし、腰を持ち上げた。
「あっ……」
お尻を高く上げて、レヴィアスに突き出すような体勢にさせられたセルレイナは羞恥のあまり顔を赤くする。とっさに両手をベッドについて身体を支えたが、それは奇しくも獣のような四つん這いの体勢だった。
「ああ、本当にいやらしい身体だな。私に犯されるために作られたような身体だ」
くすくす笑いながらレヴィアスはセルレイナの白くて柔らかなお尻を撫でまわす。セルレイナはぶるっと震えた。けれどそれは怖いからではなく、期待のためだった。
一年前、ベッドで抱き合った時にこの体位は経験している。後ろから貫かれた時の感触も身体が覚えていて、どうしても期待してしまうのだ。
レヴィアスは己の猛った肉棒をセルレイナの割れ目に押し当てる。
「セルレイナ。これは罰だ。忘れるなと言ったのに、何もなかったことにしようとした君への──」