下僕の執愛
- 著者:
- 桜井さくや
- イラスト:
- 芦原モカ
- 発売日:
- 2019年07月03日
- 定価:
- 748円(10%税込)
好きです……好きです……ずっとあなたが好きでした。
公女ステラは、生真面目で優しい従者のルイに、密かに想いを寄せていた。けれど、彼女はいずれ公国を継ぐ身。叶わぬ恋だと諦めるしかなかった。だがある日、隣国の公子に城を急襲されてしまう。ルイに守られ、なんとか逃げのびたステラだが、彼が怪我を負ってしまっていて……。熱に浮かされる彼に、口移しで薬を飲ませるステラ。すると突然、ルイは人が変わったかのように、情欲を孕んだ眼差しでさらなるキスをねだり、情熱的な愛撫を施し始め──!?
実直な従者×一途な姫君、下僕の仮面に隠した恋!
ステラ
ルイに恋しているが、公女である自分は国の利益になる結婚をしなければならないと諦めている。
ルイ
数年前、公国にやってきてステラの従者になる。文武両道で実直。ステラのことは憎からず思っているようだが……。
「……っは、……ステラ…さま……」
さっきまで口の中が苦かったなんて信じられない。
ルイとの口づけはどんな砂糖菓子よりも甘く、生まれてはじめてステラを淫らな気持ちにさせていた。
「好きです…、ステラさま、好きです……。どこにも行かないでください。私を必要としてください。どうか捨てないでください……」
首筋や鎖骨に口づけをしながら、ルイは囁き続ける。
自分はここにいる。誰よりもルイが必要だ。そんな哀しいことを言わないでほしい。
彼は不安げにステラを見つめながら、背に回した手を少しずつ腰のほうへと移動させていく。しばし腰の辺りを確かめるように触っていたが、その手はさらに下のほうへと移動し、ステラのお尻や太股を弄った。
「あ…、っん……」
その性急な動きに身を捩ると、胸元に口づけられてびくんと肩を揺らす。
猟師にもらった服にはまだ着替えていなかったから、ステラは城から出てきたときのドレスのままだ。これまであまり気にすることがなかったが、胸元が大きく開いたエンパイアドレスはかなり無防備な恰好なのかもしれない。
ルイはいつになく興奮した様子で、ドロワーズの裾を引っ張りながらドレスの胸元付近のレースを咥えてぐっと下に引っ張ってくる。それほど強い力ではなかったが、少し引っ張られただけで乳首が見えそうなくらいまで肌が露出してしまい、ルイはますます興奮して息を弾ませていた。
「ん、ルイ…、そんないきなり……」
彼は柔らかな膨らみに口づけると、今度は乳房に舌を這わせはじめる。
それからすぐに生地の隙間に舌が差し込まれ、胸の突起を嬲られてステラは顔を真っ赤にして身を捩った。
「ん……やっ」
「イヤ…ですか?」
「あっ、ん…、そういう…わけでは……」
「なら…、もっとしてもいいですか? 駄目なら…、そう言ってください。ステラさまが好きすぎて、どうにかなってしまいそうなんです」
「……ん、あぁ…、ルイ……」
「ステラさま…、ステラ…さま……ッ。ずっとこんなふうにしたかった。あなたのすべてを確かめてみたかった……っ」
「あ…、あ…あぁ……っ」
熱い舌先、ドロワーズの腰紐を探して肌を弄る大きな手。
ルイが息をするたびに熱い風が肌にかかり、その興奮に引きずられてステラの声は甘い喘ぎへと変わってしまう。
今のルイは、どう見てもいつもの彼とは違う。
けれど、ステラにはそんなことを冷静に考えている余裕はなかった。
ずっと想い焦がれてきた人に触れられて、心が高ぶらないわけがない。多少の性急さがあったとしても、ルイに求められていると思うだけで悦びのほうが遙かに勝っていた。
「はっ、ん…んぅ……」
それから間もなく、ドロワーズの腰紐が解かれていく。
途端に腰の辺りが緩くなって心許なさを感じていると、ルイは身を起こして貪るような口づけをしてくる。ステラがくぐもった喘ぎを上げる中、ドロワーズは少しずつ脱がされ、やがて左の足首に引っかかった。
「ん、んぅ…んん」
ルイはそこでドロワーズから手を放すと、すぐさまドレスを捲り上げてくる。
その動きは羞恥の声を上げる間もないほど素早く、太股や恥部、お腹から乳房まで空気に晒されてしまう。激しい口づけで息が苦しくなってステラが顔を背けると、ルイは身を起こして一気にドレスを脱がし、あっという間に一糸纏わぬ姿にされてしまった。
「……これが…、ステラさまの身体……」
ルイは釘付けになった様子で、ステラの身体をしばし凝視していた。
しかし、すぐに何もせずにいられなくなったようで、そっと膨らみに触れると腹部に向かって指を滑らせていく。
指先はやがておへそに辿り着き、さらにその下へと動いて薄い茂みを掠めた。
「あ…っ」
「……ッ」
だが、ステラが声を上げると、彼は息を呑んで乳房まで指を戻す。
誤魔化すように乳房を揉みしだくが、ルイの視線はステラの秘所に向けられたままだ。
夕暮れ時で部屋が薄暗いのがせめてもの救いだが、彼はステラの脚の間に身体を割り込ませているから、多少なりとも見えているのだろう。そのうちに我慢できなくなったのか、ルイはもう一度腹部まで手を伸ばしたあと、ステラの秘所にそっと指で触れた。
「あぁ…っ!」
「……柔らかい。それに、少し濡れています」
「あ、あぁう…、?…、濡れてなんて」
「でも…、動かすと指がステラさまの蜜で光るのです。ほら、こうすると湿った音がするでしょう?」
「あっあっ、そんなところ触っちゃ……っ、指…、動かさないで……っ」
ルイはステラの秘部に触れるや否や、感動した様子で目を輝かせていた。
濡れているとわかると、今度は襞を擦り、わざと音が出るような動きをしてみせる。
ステラは顔を真っ赤にして否定したが、ルイが指を動かすたびにクチュクチュと淫らな水音が響いているのは紛れもない事実だった。
「この小さな突起を擦ると、ステラさまの中心から蜜が溢れてくるのです。身体もどんどん熱くなって、敏感な反応になるのがわかります。とても淫らで…、狂おしい気持ちになってしまいます……」
「あ、いやっ、だめ…っ、あっあっ、ソコは擦らないで……っ」
「ステラさまのココ…、とても可愛らしいです……」
「ひん…っ、ああぁあ……っ!」
そのとき、不意にルイがうっとりとした表情で身を屈め、ステラは悲鳴に似た嬌声を上げた。
淫らに尖った蕾を突く彼の舌先。
熱い吐息で秘部全体を刺激され、執拗に襞を上下に擦られる。同時に太い指を二本、ステラの中心に差し込むと、ルイは次々溢れ出る蜜を舐め取った。
「あっああっ!? んんっ、や…、なんてことを……。あ…っ、だめ、だめ…っ。そんなことしたら……っ」
まさかそんなところを舐めるなんて思いもせず、ステラは脚をばたつかせる。
しかし、その間も淫らな水音は止む気配がない。
指が動くたびに蜜が溢れ、それを舌で舐め取られるとさらに溢れ出てしまう。
荒い息がかかって中心がひくつき、彼の指を強く締め付ける。そうすると、また蜜が零れてしまうから切りがなかった。
恥ずかしいのに、やめてほしいのに身体は反応してしまう。
夢中になって秘部を舐めるルイを見て、どうしようもなくお腹の奥が熱くなってしまう。
指を入れられ、中でばらばらに動かされると締め付けも強くなっていくのがわかる。
こんな自分は知らない。こんなルイも知らない。何もかもがはじめてのことで、ステラは混乱してぽろぽろと涙を零した。
「ひん、あっ、ああぅ、や…、ひぅ…、怖…い……」
「……怖い?」
「あぅ…ッ、も、もうやめて。ソコはもう舐めないで……っ、おかしくなってしまうから……」
「……あぁ、よかった。私が怖いのかと」
「や、やあ…、どうしてこんな恥ずかしいことをするの……っ」
「ですが…、たくさん濡らさないと辛いと聞いたことがあったので……」