貴公子の甘い檻
- 著者:
- 富樫聖夜
- イラスト:
- 涼河マコト
- 発売日:
- 2018年12月01日
- 定価:
- 726円(10%税込)
どうして僕から逃げたのかな?
先妻の娘であるシンシアは、継母たちに疎まれ、常に孤独を感じていた。そんな彼女の心の支えは、優しく励ましてくれる婚約者、侯爵家の嫡男ユーディアス。しかし突然、婚約を破棄されてしまう。悲しみに暮れ、王都を離れて引きこもるシンシア。だがそれから2年後、苛立ちを露わにしたユーディアスに「どうして婚約を破棄しようとした?」と詰め寄られ――!? 彼は戸惑うシンシアを組み敷き、無理やり純潔を奪うと、執拗に己を刻み込んできて……。
腹黒な貴公子×薄幸の令嬢、逃れられない執着愛!
シンシア
伯爵家の令嬢。実母を早くに亡くし、父が再婚するが、家族になじめず肩身の狭い思いをしている。
ユーディアス
穏やかで気品のある青年。シンシアの元婚約者だが、ユーディアス自身は婚約破棄したつもりはない様子。
「これで修道女になるつもりなのかい? シンシア。こんなに男を求める浅ましい身体で?」
「そんな……ことは……」
酷いことを言われている。それがわかっているのに、なぜか下腹部の熱がどんどん高まっていくのを感じた。
「君はもう無垢な令嬢じゃない。僕の子種を毎晩子宮で受け止めて、それを悦びと感じる身体になっている。僕に触れられれば身体はすぐに屈服する。君ももうわかっているはずだ。君は僕のものだって。なのにどうして僕から離れていこうとするの?」
「それ、は……ユーディアス様の、ためを、思って……」
「君を失うことのどこが僕のためなのか聞きたいね」
苛立たしげに呟くと、ユーディアスはシンシアの胸を弄っていた手をいきなり下に伸ばし、敏感な花芯を親指でむき出しにすると、強く擦り上げた。
「あっ、ん、ぁあああ!」
いきなり強い快感が背筋を駆け上がり、シンシアは嬌声を響かせながら背中を反らす。軽く絶頂に達したようで身体の震えが止まらない。
「や、まって、いや、まっ……!」
「待たない。……まったく、これほど簡単にイク身体で修道女なんてやっていけるはずがないのに。僕に抱かれて何度も絶頂に導かれましたって神に懺悔するつもりなのかな?」
彼女を言葉でいたぶりながらユーディアスの指は止まらない。真っ赤に充血し、むき出しになった花芯を擦り、摘まみ上げてシンシアを悶えさせる。
「んんっ、あ、は、ん、んんっ、っぁあ!」
シンシアの身体が何度も跳ねた。胎の奥から滴り落ちた蜜が机の上に水たまりを作る。
「シンシア。婚約を解消するというさっきの発言を取り消すんだ。そうしたら、ネクタイを解いていつものように優しく、蕩けるように抱いてあげる」
「っ、ふぁ、っん」
シンシアは喘ぎ声を殺すように唇を?みしめながら、首を横に振った。ユーディアスを自分から解放しなければならない。それはいくら悦楽に流されようと変わらない願いだ。
「強情だね。でも……どこまで我慢できるかな」
愉悦を含んだ声が聞こえ、その直後、蜜口にぐっと指が差し込まれた。しとどに濡れた蜜壺は容易にユーディアスの指を受け入れていく。
「あっ……!」
一瞬息を詰めて、それからシンシアは無意識に彼の指を締めつけながら息を吐く。いつも以上に存在感のある指がゆっくりと抜き差しを始め、シンシアの襞肉が嬉しそうに絡みついていく。
「中がすごく熱くてとろとろしている。でもやっぱりいつもより、キツイね。絡みついて放してくれないもの」
笑いまじりに言われて羞恥が募る。けれどいつも以上に興奮している身体は快楽に従順で、ますますユーディアスの指を熱く締めつけるのだった。
「あっ、はぁ、ん、んんっ」
指が二本に増やされ、じゅぶじゅぶと音を響かせながら出し入れする。耳を打つ淫らな水音に、ますます追い上げられていった。
「やっ、んんっ、は、ぁ、っ、ん、そこ、はっ」
中で折り曲げられた指が膣壁を擦り上げる。上側の感じる部分を引っかけるようにして指で撫でられ、シンシアは腰を跳ね上げさせた。
奥から蜜がどっと溢れて零れていくのがわかった。
「んんっ、や、ああっ」
いつの間にか三本に増えた指が入り口を押し広げるように、出入りを繰り返す。じゅぶじゅぶとわざと音を立てるように抜き差しされ、白く泡立った愛液が下肢を濡らす。
「ああ、机がびしょびしょだ。ここを掃除する女中はいったいどう思うだろうね?」
「や、はっ、んんっ」
言葉で嬲られるたびに隘路は収縮を繰り返し、媚肉が指を締めつけた。一時休んでいた花芯への愛撫も再開され、シンシアは同時に与えられる愉悦に一気に昇り詰めていった。
──イクっ、イっちゃう……!
目の前がチカチカと瞬き、内側から何かがはじけ飛んだ。
「あ、ああああっ!」
シンシアは背中を反らし、華奢な白い脚を引きつらせながら絶頂に達した。
机の上で白い裸体がぶるぶると痙攣し、シンシアの薄紅色の唇からは何度も荒い息が吐き出される。
「あっ、んん、あ、はぁ……はぁ……んっ」
絶頂の余韻に震えるシンシアの蜜壺から指が引き出される。ぽっかりと開いた蜜口が、何かを求めるようにヒクついていた。
未だ興奮の冷めないシンシアに、ユーディアスが声をかける。
「シンシア、これが欲しいかい?」
ヒクつくシンシアの蜜口に、指ではない太い塊が押し当てられる。見えなくともそれが何であるかすぐにわかり、シンシアは頷いた。
下腹部が疼いて仕方ない。熱い屹立に胎内が満たされる感触を思い出し、シンシアの喉がこくりと鳴った。
「欲しい……です……」
「だったらさっきの言葉を取り消しなさい。そうすれば、今すぐ君の欲しいものをあげる」
「っ……」
欲情に染まったシンシアの身体はユーディアスに屈服するよう訴える。ぬちゃぬちゃと蜜口に擦りつけられている肉槍はシンシアに淫悦を約束し、流されてしまえと唆す。
けれど、快楽に染まりきった頭の中で、ほんの少し残された冷静な部分が屈することを阻んでいた。
──欲しい。ユーディアス様が欲しい。でもだめ、だめなの……。
はぁ、と大きなため息が頭上から降り注いだ。
「それならば仕方ない。お仕置き続行だね」