年下暴君の傲慢な溺愛
- 著者:
- 桜井さくや
- イラスト:
- Ciel
- 発売日:
- 2018年04月04日
- 定価:
- 726円(10%税込)
おまえは俺の女だ。奪い取って何が悪い?
結婚間近で突然、婚約破棄をされたリゼ。親の決めた相手だったが、誠実な彼に好意を寄せていたリゼはショックを受け、部屋に閉じこもるようになる。そんなある日、四歳年下の美少年ロキが養子としてやってきた。聡明で、どこか高貴な印象のある彼。けれどリゼの前では甘えん坊でかわいらしい。ロキのおかげで笑顔を取り戻していくリゼだったが、ある秘密を知ってしまったことで彼は豹変! 不敵に笑う彼に押し倒され、無理やり純潔を奪われて――!?
年下の腹黒暴君×高潔な箱入り令嬢、一途で傲慢な執着愛!
リゼ
侯爵家の令嬢。曲がったことが嫌いで、相手が誰であってもはっきり意見を言うが、純粋で騙されやすい。
ロキ
12歳のときにリゼの家に養子としてやってくる。出自は不明だがどことなく高貴な雰囲気が漂っている。
「絶対にいや…ッ! ロキとだけは結婚したくない…っ!」
瞬間、彼の目つきが変わった。
それまでロキはリゼを腕の中に閉じ込めるだけに留めていたが、強引に身体を抱き上げると、ベッドのほうへと歩き出した。
「は…、放して…ッ!」
リゼは驚いて身を捩る。
抱き上げる腕がやけに熱く、このままベッドに運ばれるだけとは思えなかった。
しかし、彼はその抵抗をものともしない。涼しい顔で天蓋の布を片手で払うと、リゼをベッドに放り投げたのだ。
「きゃあ…ッ!?」
ベッドに落とされた衝撃で、身体が僅かに弾む。
一瞬自分がどうなったのかわからなかったが、ロキが視界に入ってリゼは慌てて逃げようとする。だが、その前にのしかかられてしまい、ほとんど何もできないまま組み敷かれていた。
「おまえは俺のものだ! 拒絶は許さない…ッ!」
「──ッ!」
黒髪から覗く、獰猛な眼差し。
これまで見たことのないロキの表情にリゼはビクッと肩を揺らした。
このままでは彼の好きにされてしまう。
のしかかる身体の重みに恐怖を感じて、リゼはなんとか逃れようとした。
だが、その儚い抵抗はいとも容易く封じられてしまう。力強い腕に?き抱かれ、もがいているうちに強引に脚の間に身体を割り込まれてしまった。
「リゼ、このまま俺を受け入れろ」
「やめ…て…ッ」
「拒絶は許さないと言ったはずだ。おまえに俺を突き放すことはできない。必ず俺を受け入れる」
「ひぅ…ッ、ンッ」
ロキは言い聞かせるようにリゼの耳元で囁く。
どうにかして押しのけようとしたが、彼の身体はびくともしない。
それどころか、肌に息がかかった途端にリゼは甲高い声を上げていた。
「ん…ぅ…ッ、あぁ…っ」
すると、ロキはにやりと笑って背に回した手を動かし、指先で背筋をなぞり始める。
ぞくぞくとした感覚が全身を駆け巡り、リゼは喉を反らして喘いだ。
「リゼ、おまえは俺の女だ。こうすることは四年前から決めていた」
「ンぅ…ッ、っは、あ…ッ」
背筋を這う太い指先。
低音の甘い囁き。
たったこれだけのことで、リゼの身体は火がついたように熱くなっていた。
自分で自分が信じられない。
この身体はどうなっているのか。
こんな状況でどうして感じているのだ。
声を抑えようとするが、彼の手で身体の奥深くまで触れられている感覚になり、さらなる喘ぎを上げてしまう。
「んん…っ!」
やがてロキの手がリゼの脇腹へと進み、ネグリジェの下に差し込まれると、少しずつ乳房に向かう。徐々にネグリジェの裾が捲られて、大きな手がリゼの豊満な胸を鷲?みにした。
「んッ、んンッ、や…あ……」
リゼは熱い手の感触に肩をびくつかせた。
しかし、抵抗らしいことは何一つできない。
身体に力が入らず、ただ熱い息を漏らしていただけだった。
「ふ、あ…ンッ、あっ、あぁ…んッ」
空気に晒された乳房は揉みしだかれるごとに形を変える。
ロキは満足げに笑みを零すと、果実のような頂に口づけ、熱い舌でねっとりといたぶり始めた。
「いい啼き声だ……」
「……っは、く…、ん…ぅ……ッ」
まるで自分の中に違う誰かがいるようだった。
絶対に許せない、ロキのものになどなりたくないと思っているのに、身体のほうは少し触れられただけで熱くなってしまう。胸をまさぐられ、突起を舌でいたぶられると快感が募って、身体の中心から蜜が溢れ出した。
自分自身に裏切られたような気持ちになり、リゼは激しい自己嫌悪に陥った。
そうしている間も身体はロキの愛撫でますます蕩かされていく。これ以上されたらどんなふうになってしまうのか、想像したくもなかった。
「も…、やめて……、お願い……っ」
「……やめる?」
「全部なかったことにするから……っ。ロキと、これまでどおり接するから……、だから……ッ!」
リゼは目に涙を浮かべて懇願した。
本当は、なかったことになどできそうもない。
これまでどおり接することも、できないかもしれない。
自分でもそれはわかっていたが、なんとかここで終わりにしてほしくて必死だった。