ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

背徳の接吻(くちづけ)

背徳の接吻(くちづけ)

著者:
山田椿
イラスト:
DUO BRAND.
発売日:
2017年12月28日
定価:
704円(10%税込)
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覚悟して。君はもう僕の花嫁だ。

幼馴染みと弟が森に消えたのを、自分のせいだと思い続けていたグレース。サーカスの見世物になっていた“人狼”が、幼馴染みのアランだと直感した彼女は、彼の世話をすることに。痩せ細り、精神的なショックで人語も記憶も失っていたアラン。けれど、次第に記憶を取り戻し、完璧な紳士に成長していく。彼からまっすぐな愛を向けられて戸惑うグレース。情熱的なキスに抗えず、淫らな夜を過ごすのだが、彼が弟かもしれないと知らされて――!?
記憶喪失の美しき“人狼”×十字架を背負う令嬢、一途過ぎる愛の行方は……!?

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登場人物紹介

グレース

グレース

幼い頃、弟と幼馴染みが森で姿を消し、自責の念にかられていた。伯爵令嬢でありながら“人狼”の世話をする。

アラン

アラン

サーカスで“人狼”として見世物にされていた。グレースとの触れ合いで次第に過去の記憶を取り戻していくが…。

お試し読み

「綺麗だよ、グレース」
 ベッドの上で組み敷かれ、そこでグレースはアランがなにも身に着けていないことに気づいた。 硬くなり始めた陰茎がグレースの白い腹を何度か擦っていくからだ。
「ま、待ってアラン、どうしてあなたまで服を脱いでいるの」
 目を閉じたまま訊ねると、アランが小さく笑う気配がした。
「ベッドが僕の服で濡れたら困るからね」
「だ、だけど……」
「ねえ、僕のも触って。君を裏切っていないかたしかめて」
 手を引かれ男の肉塊を?まされると、まだ芯を持たない肉棒は熱く息づき、グレースの手のなかで生き物のようにピクッと動いた。
 たしかめろと言われても、グレースにはその方法がわからない。
 グレースが戸惑っているあいだにも、耳たぶを甘?みしていた唇がそのまま首筋へと移動して、両手に包まれていた胸の先端へと下りてくる。
「ひ、っ……ぁ……」
 慣れない刺激にグレースは息を詰める。
 アランの手が形を変えるたび、淡く色づく先端を唇がやさしく扱いた。
「やぁ……っ、ぁ……ん、あっ……」
 敏感になった蕾はいまにも綻びそうなほど硬く尖っている。
 掌中の欲望も硬度を増して、片手では余すほどになっていた。
「君の声がもっと聞きたい」
 アランはグレースの膝裏に手を置くと、両手で左右に寛げた。
 その弾みで男の欲望が手から滑り落ちていく。
「や、そこは……っ……」
 目を閉じていても次から次へと羞恥が押し寄せ、全身が火照る。
 慌てて脚を閉じようにも、潜り込んだ男の頭と肩がそうさせてくれない。
「隠さないで。全部見せて」
 アランの囁きが花唇にかかる。
 敏感な場所を唇に吸われ、蠢く舌がグレースの秘所を暴いていく。
「だ、だめ……ぇ……」
 男の舌は楔となって秘孔を穿ち、蜜の滲んだ柔肉を貪っていく。
「グレースのここは甘いよ。癖になりそうだ」
「……ゃあ……っ……だ、めぇ……」
 続けざまに刺激を与えられ、なぜここまでされているのか疑問を持つ余裕さえない。
 今夜は彼に濡らされてばかりいる。
 夜着ばかりか、グレースの乾いた場所すべてを満たそうとするかのように、媚肉にむしゃぶりつかれ、飴玉みたいに敏感な尖りを弄ばれている。
「あぁ……や、……だめ……も……っ……」
 グレースの薄い腹が大きく波打つ。初めて味わう快楽に、さざ波のような甘い痺れが全身に広がり、大きなうねりとなって返ってくる。
 これではきりがない。
「アラン……もぅ……無理……お願……ぃ……」
 舌で秘裂を探られ、片手が胸まで弄りだすと、新たな刺激の波が生まれ、グレースは身も世もなく喘ぐしかない。
「ぁ……はぁ……は、ぁ……ぁあ……」
 アランは無我夢中で花唇を愛撫していた。
「あっ、あぁ……っ」
 舌が内壁の入り口を擦り、指まで差し入れられる。
「あ、あぁ……っ……」
 刺激から逃れようと思わず腰を捻ると、そのまま体を裏返され、グレースは四つん這いにさせられた。
「だ、だめよ、アランっ。わたしたちはまだ婚約すらしていないのに……」
 いくら性に奔放なランサス貴族でも、さすがに初婚のときは貞節が求められる。そうしなければ正統な跡継ぎを得られない。
「わかってる」
 アランは背後からグレースの体を抱き締めると、肩口のあたりにそっとキスを落とした。
「結婚前にグレースを傷つけたりしない。だから脚を閉じて、僕に協力して」

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