天才教授の懸命な求婚
- 著者:
- 秋野真珠
- イラスト:
- ひたき
- 発売日:
- 2017年08月03日
- 定価:
- 682円(10%税込)
とても美しいな、君の骨格は。
「では、役所へ行きましょう」両親に呼び出された先で、突然プロポーズ(?)をされた松永夕。お相手は有名企業の御曹司で大学教授の名城四朗。スーツは一流品なのに、髪はぼさぼさ、ひげも伸び放題の変わり者。だが、直球すぎる愛の言葉は、恋を知らない夕の心を震わせる。夕のためにと髪を整え、ひげを剃り、ますます魅力的になった彼。「止まらないが、いいか」四朗の劣情に煽られて、情熱的な一夜を過ごす夕だったが、その後、ある事実を知ってしまい――!?
恋愛初心者の天才教授×恋を知らない地味OL、遺言をめぐる政略結婚!?
松永夕
母の再婚により社長令嬢となる。義妹が四朗との縁談を断ったため、お鉢が回ってくることに。
名城四朗
アメリカの大学教授。研究以外に興味を示すことはなかったが、夕に初めて恋をする。
四朗は辛抱強く夕が泣きやむまで待ってくれた。
いや、その間、彼は自分の舌で夕の涙を舐めとっていたので、「辛抱強く」ではないかもしれない。
とにかく、ようやく泣きやんだ夕を抱き上げて、彼はそのまま奥の部屋へと向かった。
そこにあったのは、夕の部屋のベッドが赤子の揺りかごに思えるような、キングサイズベッドだった。
そのベッドに押し倒され、四朗を見上げると、夕は何も言えなくなった。
「──やはり、止められない」
止めないでほしい。
本当はずっと、四朗を望んでいたのだ。
人との触れ合いなんて必要ないと思っていたけれど、四朗の温もりを知ってからは、それこそが自分にとって重要なものだったのだとわかった。
手を伸ばせば届く距離にあるのに、我慢できるはずがない。
「……止めないで、ほしい」
夕は覚悟を決めて、自分の手でバスローブの紐を解き、綺麗に洗ったばかりの身体を開いた。夕は下に何も身に着けていなかった。
その瞬間、四朗の瞳に熱がこもったのがはっきりとわかった。
獣のような気配を漂わせた四朗は、細い縁の眼鏡を取って放り投げた。夕は、壊れやしないかと心配して目で追うが、四朗はそれを許さなかった。そのまま貪るような勢いで、キスをされる。
「──ンンっ」
四朗の手は夕の首筋から鎖骨を辿り、乳房を強く?んだ後、わき腹からお腹を擽るように触れ、秘部へ潜り込む。
「ん、ん……っ」
くちゅくちゅと音が立ち始めるのはすぐのことだった。夕は自分の身体がすでに四朗を欲しているのだと理解した。
恥ずかしくないと言えば、嘘になる。
はしたないにもほどがあるだろう。
けれど彼の忙しない指の動きと執拗なキスが、四朗も自分を欲しているのだと伝えてくるから、安心して身体を預けることができた。
「んっ、は、あ……っ」
離れた唇が濡れた糸で繋がるような濃厚なキスは、夕の思考を麻痺させる。しかし四朗の愛撫は容赦がなかった。
首元を散々舐った後、乳房を強く揉みしだかれて、その頂を強く吸い上げられる。
「あ、あ……っ!?」
吸うだけでは足りなかったのか、強く?まれた。
それは少し痛みを覚えるほどだったが、四朗の執拗さはさらに増していく。
甘?みをすることで、夕の身体を味わっているようだ。
「──君を、食べてしまいたいと、言っただろう」
それは冗談でも比喩でもなかったのかもしれない。
けれど夕は、四朗ならいいかな、と思ってしまい、抵抗する気にもなれなかった。
そんなことを考えているうちに、四朗の唇は腰から秘部に下がり、舌を這わせながら柔らかな内腿を開いていく。
「ん、あ……っん」
さらに、夕の膝裏を?むと脚を大きく開かせ、露になった秘部に欲望の眼差しを向けた。
恥ずかしくて脚を閉じようとしても、四朗の力には敵わない。
彼の目は、本当に獣そのものだった。
四朗は夕の目を見つめながら、一度手を放し、自分のTシャツを素早く脱ぎ捨てた。そしてすぐさま、自身の肩に夕の脚をのせると、今度こそ秘部にしゃぶりつく。
「あ、ああぁっ」
大きな声が出てしまうのを止められない。夕自身でさえよく知らない場所を四朗に貪られるのを、身体が喜んでいるのがはっきりとわかった。
「あ、あん、あ、あっ」
じゅく、と音を立てながら、濡れそぼった場所を吸われ、すでに硬くなった芽を探し出されて歯を立てられる。次第に、腰の奥から苦しいほどの疼きが湧き上がってくる。びくびくと震えてしまいそうな快感を少しでも逃がしたくて、夕は思わず身体を反らしたが、それだけでは治まらなかった。
いったい自分の身体は、どうなってしまうのだろう。
こんなにも簡単に、四朗によって乱されてしまうなんて。
そしてそれを、喜んでいる。
四朗の長い指が深くに入り込み、奥の上の方を擽る。
「んあ、あっあぁんっ」
感じるところを執拗に責め立てられて、夕は大きな波に溺れてしまうような恐怖を覚えた。けれど四朗はさらに煽る。
まるで自分に溺れてしまえと、追い立てられているようだ。
「ん────っ」
やがて絶頂に達してびくびくと震える夕のお腹を、四朗の手が這う。
達することがこんなにも大変なことだとは、夕は四朗に教えられるまで知らなかった。
敏感になった身体を持て余し、ぼんやりとしていた夕だったが、すぐにまた官能の波に引きずり戻される。
「あ、んっ!?」
「──まだだ、夕」
四朗は吐息とともにそう呟くと、夕の秘部に指を差し入れ、弱い場所を苛め始める。
「あ、や、ま、ってまだ、私……っんんんっ」
「まだ、足りないんだ。もっとイってほしい。私を欲して、何度もイってくれ」