お義兄さまの愛玩
- 著者:
- 桜井さくや
- イラスト:
- さんば
- 発売日:
- 2017年06月03日
- 定価:
- 704円(10%税込)
もっと特別なご褒美をあげようか。
母の再婚により、侯爵家に迎え入れられたティナ。過去の恐ろしい経験から、大人の男を苦手としていたが、義兄のオリヴィエにだけは不思議と警戒心が生まれなかった。優しい義兄に溺愛される幸せな日々。けれど、オリヴィエの“家族としての触れ合い”は次第に過激になっていき……。蕩けるようなキスに、労わりに満ちた愛撫。繰り返し快楽を教えられ、ティナは彼のことしか考えられなくなっていく。そしてついに、彼に純潔を捧げてしまうのだが――!?
過保護な義兄×無垢な令嬢、秘密の背徳愛!
ティナ
引っ込み思案な令嬢。かつて襲われかけた経験から、大人の男が苦手。オリヴィエにだけはなついている。
オリヴィエ
父が早くに引退したため、侯爵家の跡を継ぐ。ティナへの執着心は家族の立場を越えている。
「なんて顔をしているの? ご褒美だと言ったろう?」
「でも……」
「大丈夫。僕はティナの気持ちを無視しないよ。イヤならやめる。もう何もしない」
「え…」
動揺するティナにオリヴィエはそう微笑みかける。
ティナはこくっと唾を飲み込み、瞬きを繰り返した。
──何もって、どこまで……?
キスも…、しないのだろうか……?
「……っ」
ぐっと手に力が入り、いつの間にか?んでいた彼のジャケットに皺が寄った。
どうとでも取れる言葉だったのに、もう二度と触れないと言われた気がしてティナは咄嗟に彼にしがみつく。
すると、オリヴィエは寝室の扉を静かに閉めて、ゆっくりとした足取りでベッドに向かう。ティナを宥めるようにこめかみに唇を寄せ、横抱きにしたままベッドに座った。
「ティナ、上を向いてごらん。ほら、キスをあげる」
「に…、さま…」
優しい囁きに、おずおずと顔を上げる。
眼差しはいつもと変わらない。
ベッドに連れて行かれて不安になったが、彼はティナを自分の膝にのせているだけで押し倒すようなことはしなかった。
徐々に顔が近づき、ティナは大人しく目を閉じた。
「……ん」
ふわりと唇が重なり、何度も角度を変えては重ねるだけのキスを繰り返す。
オリヴィエは幼子をあやすように身体を揺らし、柔らかな手つきでティナの頭をぽんぽんと撫でていた。
なんて心地がいいのだろう。
ティナの身体は見る間に弛緩してしまう。
優しい手つきで髪を梳かれて、ふわふわと浮いてしまいそうだ。うっとりしながら少しだけ口を開けると、彼はその唇を軽く舐めてから、自身の舌を奥へと差し込んだ。
「ん、…ふ…っ」
「ティナ、僕の首に腕を回してごらん。ほしいだけキスをあげる」
「オリヴィエ…、に…さま……」
ティナは言われるままにオリヴィエの首に腕を回した。
彼の舌先で何度も舌の上を撫でられ、次第に自分からも触れたくなって舌を伸ばす。重ね合い、擦り合って夢中で深い口づけを交わした。
「ン…ッ」
その直後、ティナの身体がびくんと跳ねる。
膝裏に回されたオリヴィエの手が、ティナのふくらはぎを撫でたのだ。
そんなところを人に触れられたのは初めてだった。
自分で触ってもこんなふうにはならないのに、撫でられるたびに身体が跳ねてしまい、重ねた唇の隙間から何度もくぐもった声が漏れた。
「…ン…ッ、ふ…、あ…っ!」
ティナは一層身体をびくつかせて声を上げる。
ふくらはぎを撫でていた彼の手は膝裏まで戻り、指先でくすぐりながら今度は股のほうへと動いた。
「あっ、…な、にを……っ」
ティナは驚いて唇を離し、オリヴィエを見上げた。
彼は静かに微笑み、髪を梳いていたほうの手でティナの頭を撫でて頬にキスを落とす。
柔らかな手つきも頬にされたキスも、とても気持ちいい。
それで僅かに緊張が緩みかけたが、股のほうに動いた手の感触は肌に残ったままで不安は消えない。
「ティナ、僕の手は嫌い?」
「そ…いうわけじゃ……、ただ……」
「ただ?」
「びっくりして……」
「なぜ? ティナの髪を撫でるのと、ここを撫でるのとどう違うの?」
「そ、それは…、ア…ッ」
太股に触れた手がまた動いた。
ティナは肩を揺らして、しがみつく腕に力を込める。
その必死な様子にオリヴィエが小さく笑った。
「あ…んっ」
耳に彼の息がかかって、ティナは声を上げた。
鼻にかかった甘え声。
──今の…、私の声……?
ティナは恥ずかしくなって彼の肩に顔を埋める。
オリヴィエはクスクス笑い、ティナの腰を抱き寄せた。
「ティナはかわいいね」
「あ…ッ」
「なに?」
「手が…、さっきより奥に……」
「そうだね」
「ン…ッ」
太股の内側を手のひらがゆっくりと往復する。
指先がドロワーズの裾に引っかかり、その刺激にさえ身体が震える。
──オリヴィエにいさまは、どうして私にこんなことをするの……?
目で訴えると、オリヴィエは微笑を浮かべてティナを見つめ返す。
いつもよりも一段と優しい顔。
徐々に顔が近づき、おでこがこつんとぶつかった。
軽く唇が触れて、すぐに離れたが、見つめ合ってからまた重ねる。そうやって触れ合うだけのキスを繰り返した。
「…ン、……んっ」
その間も彼の指先はティナの股の間を何度も撫でていた。
繰り返し甘い口づけを与えられて、それで少し緊張が解けても、股の間を撫でられる感触ですぐに身が強ばってしまう。
それでも、ティナはしがみつく手を離さなかった。
拘束されているわけではないのだから、逃げようと思えば簡単にできる。
彼はイヤならやめると言った。
拒絶すれば、その瞬間に終わりにするだろう。
けれど、拒絶はしたくない。
逃げるのはもっとイヤだった。
どうしてそう思うのか、はっきりとした答えは見つからない。
ただ、この温もりを失うくらいなら、こうして触れられているほうがよかった。
「あ…ッ、そんな……とこ……ッ」
指先が内股をくすぐり、徐々に中心に近づいていく。
布越しに伝わる感触に神経が過敏になる。
やがて、とん…、と指が秘所に当たり、しがみつく手に力を込めながらティナは声を上げた。
「ひぁん…っ」
「大丈夫だよ。こうして触れるだけだからね」
「あっ、あ…ッ!?」
オリヴィエは耳元で囁き、指を縦に動かす。
──そんな場所、自分でもまともに触ったことがないのに……。
軽く擦られただけで心臓が跳ね上がり、ティナは顔を真っ赤にしてオリヴィエのジャケットを強く?んだ。
「ティナ、ティナ……。いい子だね。ほら、キスをしよう」
「あっん、んッ、…ふ、…んぅ…っ」
「ふふっ、かわいい反応。ほんの少し擦られただけで、こんなに敏感に反応してしまうのはどうしてだろうね」
「んっ、は…ぁ、……ん、んんっ……」
「ティナの身体は、君の心と同じでとても素直だ」
キスの合間の淫らな囁きで、ますます顔が熱くなっていく。
指先が秘部を何度も往復し、時折中心に指を立てられる。オリヴィエの指が薄い下着の布地ごとティナの入口を刺激し、そのたびに喉をひくつかせて喘いでいた。
指は入口を刺激するだけだった。
力を入れずにただ軽く突き、彼はティナの反応を静かな眼差しで見ていた。
「あ…ッ、あ、ぁ…ッ」
声は少しずつ艶を帯び始め、下着も濡れていく。
いつしか入口がひくつきだし、オリヴィエは指に伝わるその感触に目を細めると、今度は秘部の少し上を親指の爪で引っ?いた。