英雄騎士の残念な求愛
- 著者:
- 八巻にのは
- イラスト:
- DUO BRAND.
- 発売日:
- 2017年01月07日
- 定価:
- 704円(10%税込)
人形よりも君が欲しい!!
騎士団長のオーウェンに一目惚れされたルイーズ。逞しい身体や精悍な顔立ちはルイーズの理想そのもので、女性の扱いもうまいと評判だ。けれどなぜか、ルイーズの前では、人形好きの残念な男。それでも、彼の優しさに触れて、次第に惹かれていく。そしてついに深い関係に……。熱く大きな彼の手に翻弄されて、淫らに高められていく心と身体。けれど突然、彼は行為をやめてしまう。傷ついたルイーズはその場から逃げ出してしまうのだが――。
ルイーズ
書店の店主。人形のようにかわいらしい容姿と裏腹に気が強い。理想の男性は、ある小説に出てくる逞しい盗賊。
オーウェン
国の英雄であり、地方領主でもあり、騎士団長でもある。社交的な性格で、女性から非常にモテるらしいのだが……。
「大事に抱くから、安心して身を任せてくれ」
「……っ、ぅン」
甘い言葉と共に首筋をもう一度吸い上げられると、ルイーズの唇が震え、おかしな声がこぼれてしまう。
「……だめ……声……でちゃう……」
「それは、君が感じている証拠だ。おかしなことではないし、もっと溺れて欲しい」
「溺れ…る……?」
「望むまま、俺を受け入れていればいい」
それまではただただ甘かった声に荒々しい欲望の色を混ぜながら、オーウェンはルイーズの耳朶を甘く?み、さらに強く彼女を抱きしめる。
そうされると、小柄なルイーズはまるで硬い肉の牢に閉じ込められたような気分になる。鍛え上げられたオーウェンの肉体は分厚く、筋肉に覆われた胸板は石壁のように硬いからだ。
(でも不思議……何だか…安心する……)
胸の形が崩れるほど強く身体が触れ合うと、薄い夜着とシャツを通してお互いの熱が混じり合う。
それがあまりに心地よくて、熱と一緒にこの身体も溶け合って、一つになれればいいのにとルイーズはぼんやり考えてしまう。
「ルイーズ」
溶け合いたいと思っていた気持ちは一緒だったのか、オーウェンがルイーズの夜着をゆっくりと取り払う。
そして彼も纏っていたシャツを乱暴に脱ぎ、もう一度、今度は遮るものなしに二人は肌を合わせる。
「あっ……ッ!?」
直後、オーウェンは喜悦に震えるルイーズの唇を荒く舐め上げる。
再び始まった刺激に身体が揺れ、あらわになっていた乳房がオーウェンの硬い胸板に擦られる。
するとルイーズの胸の先端に甘い疼きが走り、その頂は淫らに熟れ始めた。
「んっ……あぅ…うン」
ルイーズの胸の変化を見逃さず、オーウェンはすぐさま立ち上がった頂ごと彼女の胸を手のひらで掬い上げた。
ルイーズの胸は決して小さいわけではなかったが、オーウェンの硬くて大きい手のひらはそれを易々と包み込んでしまう。
「あっ…そこ……はっ……」
「気持ちいいか?」
剣だこのできた無骨な指が、胸を押し上げながら頂を擦ると、甘い痺れが全身に広がった。
ルイーズが無意識にコクリと頷くと、オーウェンは胸を押し上げる動きを少し速める。
「なら、もう少し強くしてやろう」
「……あっ……強っ……すごい……」
果実を摘み取るように、形の良い乳房の先端をオーウェンの指が刺激すると、ルイーズの口からいつになく素直な声がこぼれる。
「ここを擦ると、もっといいだろう?」
「いいっ……これ……」
甘い刺激を立て続けに感じるうちに、ルイーズの声は艶やかな響きに満ちていく。すごく恥ずかしいはずなのに、照れくささを感じるより早く声が出てしまう。
「君が感じるところを、もっと探そう」
乳房を包んでいた手が、今度はゆっくりと肌を撫でながら下へと降りていく。
へそのあたりを少しくすぐりながら下へと進んだ手のひらがどこへ向かうかを、ルイーズは察した。だがわかっていても、ルイーズは肌をなぞる指先を見つめるばかりで止められない。