背徳の恋鎖
- 著者:
- 葉月エリカ
- イラスト:
- アオイ冬子
- 発売日:
- 2015年12月03日
- 定価:
- 660円(10%税込)
俺は君にしか欲情しない。
幼い頃に火事で家族を亡くしたアリーシャは、血の繋がらない叔父のクレイに育てられ、溺愛されてきた。紳士的で容姿端麗な彼。だが、その結婚生活は破綻続きなことが、アリーシャには気がかりだった。そんなある日、アリーシャは叔父の秘密を知ってしまう。実は、彼は女性に欲情できず、それが原因で離婚を繰り返していたのだ。大切な叔父を救いたいと願うアリーシャだが、彼の巧みな言葉に乗せられて淫らな「治療」の手伝いをすることになり……。
アリーシャ
血の繋がらない叔父クレイと暮らす。優しいクレイのことは兄のように慕っていたが……。
クレイ
伯爵。アリーシャのことを溺愛している。紳士的で容姿端麗なため、女性に人気だが……。
「ぅ……ふぁ、はぁ……──」
触られているのは胸だけなのに、降り積もる愉悦は下肢にまでじわじわと伝い降りていった。
アリーシャはもじもじと太腿を擦り合わせ、面妖な感覚を散らそうとするが、それに気づかないクレイではない。
「どうかした、アリィ?」
「っ……なんでもない……」
「そう? 本当になんでもないのかどうか、確かめてもいい?」
「あっ……や、そこ……いやっ……!」
クレイの右手がアリーシャの股間に滑り込み、再び目の前にかざされたとき、その指先には、とろりとした液体がたっぷりと纏わりついていた。
クレイが指を擦り合わせるとねちょねちょという音が立ち、離れた指の間には、細く透明な糸が引かれる。
「なんだろうね、これ」
「……知らない」
「俺はちゃんと教えたはずだけどな」
しらばっくれるアリーシャを、クレイはにやりと笑って追い詰めた。
「女の人のここは、興奮すると濡れるって。それはなんのためなのかってことも」
「…………」
「俺のこれが、硬くなってるのと同じ理由」
男女が互いを欲し、結ばれたいと強く望むと、体はそのように変化する。
それを教えてくれたのは確かにクレイで、アリーシャに弁解の余地はなかった。
「脚を開いて、アリィ」
「え……」
「ほら、体を起こして。俺のほうを向いてごらん」
腰の後ろにクッション代わりの枕をあてがわれ、クレイの正面に向き直らされる。
両膝を大きく開かされた瞬間、初めてのことではないのに、心臓が早鐘を打った。
(見られてる……いっぱい濡らしちゃったところ、叔父様に……)
アリーシャの股座は失禁でもしたようにとっぷりと濡れそぼち、後孔までもがてらてらと濡れ光る有り様だった。
「ああ、もうぐっしょりだ」
クレイが嬉しそうにそこを覗き込み、再び指先で秘裂をなぞった。
「ちゃんと触ってあげるのは初めてだね」
「んぁ……ああ、あっ……」
薄い花弁を?き分けられ、蜜口の周囲を、円を描くようになぞられる。
自分でもろくに知らない場所に触れられるのは、とてもおかしな感覚だった。
胸を責められていたときよりもみっともなく喘いでしまいそうで、唇を?みしめて声を堪える。
「中も拓くよ……」
秘唇の狭間をゆるゆるとまさぐっていた指が、くぷりと沈む場所を見つけて潜り込んだ。外から体内を暴かれる衝撃に、アリーシャはとっさに泣き言を洩らした。
「や……待って。入れちゃ……」
「よく馴らさないと、アリィが痛い思いをするんだよ?」
子供の頃、転んで怪我をし、消毒を嫌がったアリーシャに告げるように。
こうすることがアリーシャのためなのだと言い聞かせながら、クレイは中指を狭い蜜道に押し入れていった。
「濡れてるけど、やっぱりきついね……自分で弄ったことがないっていうのも、この分だと本当なのかな」
「し……しないわ、そんなこと……」
圧迫感に呼吸を弾ませ、アリーシャは弱々しくかぶりを振った。
「じゃあ、アリィの内側に触れたのは、本当に俺が初めてだね」
嬉しそうに言って、クレイは根本まで埋めた指を、中でぐるりと回した。
臍の裏側の柔らかな場所を押されて、アリーシャの下腹は、傍から見てもわかるほどにびくんと波打った。
「っ……──!」
「その反応、痛いんじゃないよね?」
「違う、けど……あ、だめ、いやぁ……」
内臓に近い場所をまさぐられて、言いようのない不安とともに、濃密で淫猥な感覚が生じ始める。
腰回りが重く痺れ、与えられる刺激に蜜洞はいっそう狭隘になって、クレイの指を締めつけた。
「アリィのここ、ちゃんと悦んでるよ?」
「う、そ……」
「嘘じゃないよ。あったかい襞が絡みついてきて、中も熟れた桃みたいにぐじゅぐじゅで……」
「や、動かさないで……ひぁあ……っ」
ぬちゅぬちゅと中を探る指は、次第に大胆になっていった。敏感になった内壁をまんべんなく擦り尽くし、じゅぶじゅぶと奔放な抜き差しが始まる。
撹拌された愛液が?き出され、クレイの掌ばかりか、手首までをも濡らしていった。
「奥から、いくらでも溢れ出てくる……俺の思った通り、アリィは感じやすい女の子だね」
やがてクレイは、秘処の上部に位置する、薄い莢に包まれた肉の芽を親指で押さえた。
半ば露出しかけている秘玉を、潤みを纏った指で優しく撫でられた瞬間、これまでとは明らかに違う種類の快感に火がついた。
「ぁあああっ……!」
我慢していたのも忘れ、アリーシャは全身をびくつかせて高い声を放った。
クレイは決して強く触れているわけではないのに、灼けつくような鋭い快感に腰が大きく浮いてしまう。
指先を小さく動かされるだけで、どうしようもなく切なくてもどかしい感覚が、ぐんぐんとせり上がってきた。
「や、何……ああぁ、いやぁ……っ」
「気持ちよくなってきた? いいんだよ、たくさん感じて……アリィの可愛い声、俺にいっぱい聞かせて」
熱っぽく囁きながら、クレイはアリーシャの耳朶を食み、耳孔にも舌を差し入れた。
ちゅくちゅくと耳の中で響く音が、秘処からあがる水音と相まって、アリーシャをいっそう淫靡な気分に追い立てる。
「アリィのここ、小さいけどぷっくり膨れて赤くなってる……胸の先と同じ色だ」
「やぁんっ……!」
再び乳首をきゅっと摘まれて、快楽を注がれる場所が増やされた。
先端をくにくにと弄られ、軽く爪を立てられると、下腹の奥が引き攣れるように甘く疼いた。
そうされながら、下肢のほうで蠢く指は、陰核に蜜を塗り込めるように細やかに動き続けている。
「あ、ぁああ、や、叔父様ぁ……っ……」
どこか遠い場所に押し流されてしまいそうで、アリーシャはクレイの背に必死でしがみつき、泣きそうな声をあげた。
「も……やめ、何か……あっ、あっ」
「……このままだと、達っちゃいそうだな」
アリーシャを見下ろしながら、クレイは小さく独りごちた。
「でも、まだ駄目だよ。俺がアリィの全部を味わうまで、我慢して」