限界突破の溺愛
- 著者:
- 八巻にのは
- イラスト:
- 成瀬山吹
- 発売日:
- 2015年05月02日
- 定価:
- 682円(10%税込)
俺は君を甘やかしたい!!!!
兄の借金のせいで娼館に売られた子爵令嬢のアンは、客をとる直前、侯爵のレナードから突然熱烈なプロポーズをされる。アンよりも20歳近く年上の彼は、亡き父の友人でアンの初恋の人。だが数年前、彼のとある秘密を知り、告白する前に失恋していた。同情からの結婚は耐えられないと断るアンだが、レナードは彼女を連れ去って……。強引ながらも甘い愛撫に蕩かされ、純潔を奪われるアン。目が覚めたときには軟禁されていて――?
アン
子爵令嬢だが、兄の借金のせいで娼館に売られることに。誰にも頼らず借金を返済しようとしていたが……。
レナード
侯爵であり、先の海戦の英雄。昔からアンのことを愛しているが、アンにはなぜか変な誤解をされており……。
「警告はしたぞ」
張りつめたレナードの声が耳朶を震わせた直後、レナードの舌がアンの首筋を舐り、体がびくりと震えた。
「レナード……さ…」
「君はわかってない、俺がこの一ヶ月、どれほどの忍耐を己に強いていたのかを」
首を這っていた舌はアンの顎をたどり、甘い吐息こぼす唇をふさぐ。
「ん…ふぅ……や」
深い口づけを交わした後、レナードは再び首筋に顔を向ける。
先ほどとは反対の首筋をいやらしく嬲りながら、ドレスの上からアンの胸を強く揉みしだく。
「うっ……ふぅ」
彼の大きな手が胸を覆うとそれだけで体の熱があがる。けれど、ドレスの下にコルセットまで締めた状態では、レナードの指の感触が肌に届かず物足りない。
肌に直接触って欲しい。
普段なら決して思わないであろうはしたない欲求が、酔いと共に溢れた。
「レナード…様…」
「どうした? こうされるのはいやか?」
違うのだと首を横に振るが、どうしても口が回らない。
体に残ったアルコールが、アンから言葉と最後の理性を奪いつつあるのだ。
「本当に、酒が弱いと見えるな」
僅かに手を緩めたレナードに、アンはもう一度頭を振る。
「もっと……」
こぼれたはしたない言葉に、僅かに残ったアンの理性が恥ずかしさに頬を染める。
いやらしいことをねだるなんて、自分はどうかしている。
心ではそう思っているのに、体と口はレナードを求めるようにもっと欲しいとねだり続けるのだ。
「現実でねだられるのは初めてだが、悪くないな」
悪くないと繰り返しながら、レナードはドレスをたくし上げ、ドロワーズ越しにアンの太ももに触れる。
初めて抱かれた時より指の動きは優しかったが、それが少しじれったい。
アンの一番奥、レナードに触れて欲しくて震える場所になかなかたどり着かないのが切なくてたまらないとさえ思う。
「レナード様……」
「そんな顔をしなくても、ちゃんと触ってやる」
レナードも、期待に濡れるアンの瞳を見て、何を望まれているかに気づいたらしい。
ドロワーズの中に手を滑り込ませ、レナードはアンの一番敏感なところに触れた。
「はっ…あぁ……」
指先が触れただけなのに、腰がびくりと動き、ドロワーズに蜜がにじみ出す。
そのまま二度三度とドロワーズの上から指で擦られ、アンは気持ちよさに体を震わせた。
「触れただけなのに、イキそうな顔だな」
「あぅ……ん」
「だがこれで満足してもらっては困る」
いやらしく湿った下着を手始めに、ドレスとその下のコルセット、シュミーズと順を追い、レナードはアンから服を取り去っていく。
少しずつ近づいてくる結合の時を体は予感しているのか、薄着になっていくにつれ、アンの蕾からこぼれた蜜が太ももをいやらしく伝い落ちた。
「まずは、ここを綺麗にしないとな」
蜜をこぼすアンのはしたない下腹部に気づいたのか、レナードはアンを膝で立たせ、その太ももを愛おしそうに舐めあげた。
指とはまた違う、ざらりとした感触に膝が震え、せっかく舐めとった上からまた蜜がこぼれてしまう。
レナードの顔を汚してしまうかもしれないと、慌てて蕾を指で押さえるが、アンの細い指ではとうていふさぎきれない。
「君はすぐ、隠したがるな」
「でも、汚れて……」
「汚くはないし、アンのものでならいくらでも汚れたい」
アンの指をどけさせて、レナードは膝の上から太ももへ、そしてその更に上へと舌を這わせていく。
「あぅふぅ…」
これから彼が触れるであろう場所を予感しただけで、膝が震え姿勢が保てなくなる。
くずおれたアンを支えたのはもちろんレナードで、彼は安心させるよう腹部に優しいキスを落としながら、彼女を仰向けに横たえた。
そのまま脚を大きく開かれると、今更のように自分の格好が恥ずかしくなる。
今すぐ脚を閉じたい気持ちと、脚の間にいるレナードがしようとしていることへの期待に心が乱れ、アンは葛藤する。
彼を求めてはいけないとわかっているのに、触れて欲しくてどうしようもない気持ちが、消えないのだ。
むしろ求める気持ちは一秒ごとに肥大し、抑えきれない。
「もっと脚を開くんだ」
言われるがまま脚を開き、一番恥ずかしいところをレナードに見せつけながらいったいいつから自分は彼を求めていたのだろうかと考える。
最初はいやなはずだったのに。無理矢理犯されたあの日、たしかに恐怖を感じたはずなのに、今はその片鱗すら思い出せない。
「悦い顔だ、綺麗だよ」
レナードが笑うのを感じながら、更に大きく脚を開く。
「あああっ……!」
先ほどまで太ももで感じていたあの舌の感触が、蜜の溢れる蕾そのものを嬲る。
快楽が津波のように押し寄せ、アンの腰は波に翻弄された小舟のようにはねた。
「やぁ……あああぅ」
レナードが自分の股に顔を埋めるのを見ながら、アンははしたない声を上げ続ける。
喰らうようにアンの秘所に口を寄せ、その蜜を舐めとるレナードはまるで血に飢えた獣のようだった。
「ぅ、くぅ、ん……」
アンの視線に気づいたのか、レナードが上目遣いにアンの顔を見る。
その燃えるような瞳に、アンの体がぞくりと震えた。
普段の子犬のようなものとは違う、鋭く激しい獣の瞳。
その視線が自分に注がれていることを嬉しいと感じるのは、レナードが自分を求めていると、喰らいたいと願っているのだとわかるからかもしれない。
たとえ父の身代わりでも、身代わりだからこそ、彼が求めるのは自分だ。
選ばれたのは自分だということが、アンはどうしようもなく嬉しかった。
「アン、そろそろいきなさい」
「あ、ンッ…」
「我慢しなくていい、ここがたまらないんだろう」
レナードの熱い舌が、アンの肉芽を乱暴に擦った。
「ああああああ─────!」
意識が白く飛び、何かが爆ぜるようにびくんとはねた体は、溶けてしまいそうなほど熱い。
「ンっ……!」
初めての時よりも大きな開放感に、アンの体は芯をなくしたようにぐったりとベッドに倒れ込む。
そのまま戦慄いていると、絶頂で硬くなったアンの乳首をレナードがつまみ上げた。
「くふっ……」
まるでいたぶるように乳首をつまみ、はじかれ、乳房と共に揉みしだかれると、体の熱は冷めるどころか高まっていく。
それに従い、アンはもう一度、今度は無意識に脚を広げていた。
「いい子だ」
頭を撫でられ、顔がほころぶ。
「そのまま力を抜いておくんだ。まだ、少しきついかもしれない」
快楽とアルコールのせいで、アンの意識はほぼ無いに等しい。
しかし彼女の本能はレナードの言葉に従い、彼を受け入れる準備を整えていた。
「挿れるぞ」
覆い被さるように体を重ねてきたレナードに、アンは縋るように腕を回す。
だがレナードの広い背中はアンが腕を回すには大きすぎて、うまく抱きしめられない上にその背に爪を立ててしまう。
けれどレナードは、その痛みさえ愛おしいというように、微笑んだ。