皇帝陛下は逃がさない
- 著者:
- 山野辺りり
- イラスト:
- 五十鈴
- 発売日:
- 2014年07月03日
- 定価:
- 660円(10%税込)
もっと君を可愛がりたい。
小国の末姫シシーナのもとに突然届いた結婚の申込み。相手はなんと、冷血で残虐と噂される大国の皇帝レオハルト。攫われるように彼のもとへ嫁いだシシーナだったが、豪華な鳥籠に閉じ込められて……!? どうして私をこんなところに? 理由を聞こうとしてもはぐらかされ、甘い言葉と執拗な愛撫で彼の手管に呑まれてしまう。身体だけじゃなくて心も通じ合いたいのに――。そう悩んでいた矢先、とある事件に巻き込まれ……?
シシーナ
小国オールロの末姫。突然の求婚でレオハルトの妻となる。
レオハルト
大国ケントルムの皇帝。冷酷非道で女性関係が派手という噂だが……?
「この鳥籠と足枷のお陰で、絶対にシシーがどこにも行けないと思うと、とても安心する」
鎖を指に絡ませ、レオハルトは恍惚感を滲ませた。
「ふ……くっ、ぁ……」
「可愛いシシー。こうすると、君の全てがよく見える」
「……っ!」
指で開かれた場所に、生温かい舌が這った。強烈な快感でシシーナの太腿が痙攣する。崩れ落ちそうになるのを支えるように腰を掴まれ、逃げることは叶わない。
「……っや……!」
気持ちがいいと叫んでしまいそう。だが、それはしたくなくて歯を噛み締めた。それでも甘い吐息だけは堪え切れず、鼻に抜けるのは媚びた鳴き声だけ。
「……アッ、ん、ん……ぁっ」
「は……硬くなってきた……それに赤く熟れて……」
「言わないでください……っ!」
ぴちゃぴちゃと、仔猫がミルクを舐めるような音と共に下腹部が熱くなる。溜まる熱が溶け出して、秘所を更に濡らした。
レオハルトはシシーナを舌で愛撫することを好み、絶対にやめてくれない。それどころか、シシーナが嫌がれば嫌がるほど熱心に顔を埋める。慈しむかのように優しく舌が動かされ、丁寧に花弁を解した。
「は……っ、あっ、あう……ッ」
「ん……シシーのここは狭いから、よく濡らさないと。でも、そろそろいいかな? 私も君の中に入りたい……」
情欲に乱れたレオハルトの声が艶めかしく揺れた。
「は……、レオハルト様のお好きなように……!」
拒む術など持ち合わせてはいないのだから、本来であればレオハルトがシシーナの意思など確かめる必要はない。けれど彼はいつでも問いかけてくる。
「……聞きたいのは、そんな言葉じゃない」
「あッ、ぁあ───っ」
落とされた呟きは、不機嫌と悲哀が入り混じっていた。
慣れたとはいえ、大きな質量で貫かれる瞬間は苦しい。シシーナは押し広げられる痛みと快楽に一瞬で支配された。
四つん這いのまま腰を固定され、背後から欲望を叩き付けられる。ガクガクと視界が揺れ、力の抜けた腕では身体を支え切れない。シシーナはシーツに頬を擦り付け泣き喘いだ。
聞くに耐えない淫らな水音が鳥籠の中に反響し、鎖の金属音が奇妙に続く。
「……ゃ、ァッ、あぅっ……あっ」
「シシー、もっとだ。もっと鳴いて」
シシーナの柔らかな尻にレオハルトの硬い肌がぶつかる。その度に狂うほどの快楽が生まれ、奥を抉られると何も考えられなくなってしまう。そのうえ合間に敏感な蕾はもちろん、胸の頂さえ弄られて激しく身悶えたが、レオハルトの体の下から逃れることは叶わなかった。