つまさきに甘い罠
- 著者:
- 秀香穂里
- イラスト:
- 北沢きょう
- 発売日:
- 2014年05月02日
- 定価:
- 660円(10%税込)
僕はきみを愛しすぎている。
戦争で国を失った王女クレアは、奴隷市場で謎の青年に買われることに。彼の正体はなんと、敵国の王子シルヴァだった。ドレスを脱ぐように命令され、執拗な愛撫に蕩かされていく身体。強引な情事でクレアを翻弄するシルヴァだが、普段の彼はとても紳士で優しくて……。私のことを奴隷だと言いながら、どうして大事に扱うの? 困惑するクレアに、なぜかシルヴァはきつい靴を履かせ、不敵に微笑んできて――?
クレア
戦で国を失った王女。シルヴァに奴隷として買われ……。
シルヴァ
クレアの敵国の王子。クレアを大金で買い取り、奴隷として手元に置く。
「熱くて、僕の指まで濡らす。ほら、これはきみの蜜だよ。僕に触れられて、きみが感じている証拠だ」
目の前にとろりとした愛蜜で濡れた指を突きつけられ、かっと頬が熱くなる。こんな蜜が、自分の身体から溢れ出すなんて。
「そんな、……」
誰にも触らせたことのない花弁をシルヴァの指で擦られ、摘まれる感触にぞくりと身を震わせた。
怖いのに、身体は火がついてしまったみたいで、シルヴァの愛撫を欲している。
濡れた花びらを割るようにくちゅくちゅと擦られ、はぁ、と喘ぎにも似たため息を漏らすと、ふいに埋もれていた花芽を捕らえられ、弓なりにのけぞった。
「あ……っ……──あぁ……っ」
「じっとしていて。ぬるぬるして、摘めない」
笑うシルヴァを突き飛ばせたらいいのに。だが、身体の芯から熱くさせられて、力が入らない。
濡れた粒を指で転がされ、摘み直されるたびに快感がほとばしり、声を上げてしまいそうだ。
すると、息を切らしたシルヴァがのしかかってきた。
「ずっと昔から、きみのすべてを奪うと決めていたんだ。泣いてもわめいても、やめてやれない」
傲慢な言葉に声を失したが、シルヴァの瞳の底になぜかせつない感情が浮かんでいるのを見つけて、逃げ出すことができなかった。
「シルヴァ、様……」
ドレスを脱がされ、シルヴァの視線の前ではなにも隠せない。
細い肩のラインから鎖骨を指でなぞってくるシルヴァが小さく呟いた。
「……きみはとても綺麗だ。僕が貫いたらもっと声を出してくれる?」
ぶるぶる震える太腿を大きく開かされ、シルヴァがその間に顔を埋めてきたときには心臓が止まりそうだった。
なにをするのか、ほんとうにわからなかった。だが、くちゅ、といやらしい音とともに淫唇を舌で舐られて、腰が跳ねた。
指で触られていたときよりも、ずっと深い快感を与えられ、高みに押し上げられていく。
「あ、っ、ん……っぁっ待っ、て、待ってください、そんな、とこ……舐めたら、っ」
「美味しい蜜がどんどん溢れてくる……クレアの純潔はわかっているけれど、こんなにも淫らな身体だったんだね。嬉しいよ。僕のすることすべてに感じてくれている……」
秘所を舐めしゃぶられる恥ずかしさに啜り泣いたけれど、細く尖らせた舌先が蜜壺を抉るようにしてり込んできたときには、羞恥のあまり気を失ってしまいそうだった。
じゅるっと啜り込む音を止めたくて、太腿を掴んでいるシルヴァの頭を突き放そうとした。
だが、クレアの抵抗を見破ったシルヴァの柔らかで熱い舌が蜜壺から花芯へと、敏感すぎる場所をねろりと何度も縦に往復したせいで、とうとうクレアは泣きじゃくった。
「いや、シルヴァ様……っそこ、そんな、ふうに……舐め、ちゃ、いけない……っ、のに……や、ぁ……あ、あん…っ」
まるで、お腹を空かせた猫がミルクを貪るみたいに、シルヴァはクレアの秘部をあますところなく舐め、蜜壺にとろりとした唾液を流し込んでくる。
「ぐしょぐしょになってしまったよ。クレア。男を知らないくせに、いけない子だ」
「こんな……どうして……」
「さっきも言ったようにクレア、僕はきみが欲しかったんだよ。ずっと昔からね」