龍王の寵花
- 著者:
- 鳴海澪
- イラスト:
- 上原た壱
- 発売日:
- 2014年03月03日
- 定価:
- 660円(10%税込)
苦しいのは、おまえを愛したせいだ。
両親を早くに亡くし、王城で働く兄と二人きりで生きてきた蓮花。しかしある日、兄が王に毒を盛ったと疑われ共に捕らえられてしまう。兄を信じて庇う蓮花は、王である真龍に「兄の命を救いたければ、俺に一生を捧げろ」と後宮に閉じ込められ……。冷酷な真龍に服従を強いられ、蹂躙される日々。だが、蓮花を支配しようとする彼の胸には消えることのない悲しみが隠されていた。真龍の傷ついた心を知って、寄り添いたいと思い始める蓮花だったが――。
蓮花(れんか)
兄と二人暮らしの少女。真龍に刃向かったことで後宮に閉じ込められてしまい……。
真龍 (しんりゅう)
陽国の若き王。非情な振る舞いから「青銅の龍」と呼ばれ、怖れられている。
「いやなどと二度と言えなくしてやろう、蓮花。もっとしてくれと啼いて俺に可愛く縋るようにしてやる」
真龍の声がすーっと遠ざかったと思うと、大きな手が蓮花の腰を持ち上げてきた。そのまま膝を掬って足を割る。
「……あ」
──王の徴をつける。
後宮に初めて囚われた夜に取らされたのと同じ、恥ずかしく切ない姿勢に声が漏れるが、蓮花は目を閉じて耐える。
真龍には逆らえない。
けれど次の瞬間蓮花は、思わず飛び起きようとした。
「真龍さま! 何を!」
足の間に顔を埋めてきた感触に足をばたつかせたが、真龍の片手であっさりと押さえられる。
「手を使えなければ舌を使うしかない。方法はいくらでもある。おまえはただ可愛らしく歌えばいい」
舌を使う……?
意味がわからないけれど、何か今までとは違う自分ではどうしようもできないことが起きそうな気がした。
蓮花の羞恥と惑いを楽しむように真龍の目が細められ、蓮花は揺らめく蝋燭の明かりの中で身体中が染まる。
暴かれた身体の奥の花が妖しい光に晒される。
「あ……真龍さま……」
縋るように呟いた声は真龍に届いたのかもわからないまま、寝台の絹の上に滑り落ちていく。
真龍の前に隠すことなく開かれた花弁に温かいものが触れる。
「ん──ぁ」
物慣れない蓮花にはそれが何かわからない。ただ指ではないことだけがかろうじてわかるだけだ。
温かく濡れたそれが蓮花の花びらを割り広げ、ぬるぬると刺激し始めて、蓮花はやっとそれが真龍の舌だと気がつく。
「真龍さま! やめてください! いや!」
逃れようとした身体を難なく押さえられて、また濡れた舌が花びらを舐める。
「あ──真龍さま、そんな──こと……しないで……いや」
だが蓮花の懇願など聞くことなく、真龍の舌先が花びらの奥を容赦なく暴き出し、花芽を捕らえた。
「あ……んぁ」
激しい羞恥と困惑、そして味わったことのない痺れが背筋から頭の頂点に抜けていった。
熱い舌が快楽の全てを集めた花芽をつついて、舐り、舌先でこね上げる。
逃れようとした身体の力が抜けて、閉じようとした足がしどけなく崩れていく。
抗っていた声は、いつしか真龍の命じた囀りに代わる。
「はぁ……んぁ……真龍さま……ぁ……」
身体の奥から熱い蜜が溢れ、内腿を濡らす。
真龍の舌が動くたびに、ぬちゃぬちゃと水音がして、自分の身体がつま先から蕩けていく。
こんなふうに淫らに激しく蕩かされ続けたら、きっと自分は蜂蜜色の甘い雫になってここからいなくなってしまう。
「……はぁ……あ、真龍さま……ぁ、怖い……」
蓮花の未熟な身体では、真龍から与えられる快楽は強すぎて受け止めきれない。
この先に何があるのか、自分の身体がどうなってしまうのか。
花芽をきゅっと吸い上げられた蓮花は、背中を折れるほどに撓らせ、喘いだ。
「あ……ぁ、ん……ぁ」