蜜夜語り
- 著者:
- 山田椿
- イラスト:
- 秋吉ハル
- 発売日:
- 2014年01月06日
- 定価:
- 660円(10%税込)
今宵のことは二人だけの秘密…
両親の死後、困窮する家を守ろうと、宮家の姫でありながら女房の仕事を手伝う鈴音。見かねた女房は、鈴音の亡き母と縁のある大納言家に助けを求めていた。使者として現れたのは、絵物語から出てきたような雅な男・朔夜。大納言の従者という彼は、探るような目で鈴音を見つめ、唇まで奪ってきて――。どこか陰のある朔夜にいつしか惹かれていく鈴音。しかし彼にはある目的が……。
鈴音(すずね)
宮家の姫。困窮する家を守ろうと、朔夜のある提案に従うが…。
朔夜(さくや)
大納言の従者として現れた男。鈴音にある話を持ちかける。
脚の狭間で朔夜の頭が揺れている。
「や、ぁ……あ……」
朔夜の淫らな舌が先ほどから弧を描くようにして鈴音の媚肉を舐っていた。
「もっ……やめ……っ、ん……っ」
そこだけに神経が集まったように、鋭敏な刺激に反応して身悶えする。何度も脚を閉じようとするが、鈴音の膝裏に添えられた朔夜の手が、その度に脚を左右に押し広げてしまう。鈴音はまろく小ぶりな尻を突き出すような格好で、花唇を露わにさせられていた。
「音を上げるのはまだ早いですよ」
朔夜は秘裂から顔を上げると、蜜に濡れた唇を手の甲で拭った。
「身代わりとして入内するということは、愛してもいない男にこうして抱かれるということです。昨夜、私が閨での所作を手解きして差し上げたはずですよ」
意地悪く嗤う朔夜の顔が、涙に滲む。
「それに、今からそんなに感じていてはこのさき身が持ちませんよ。まだ花唇を解しているだけなのに」
鈴音の顔を見下ろしながら、朔夜は舌で解された秘裂にそっと指を押し挿れると、ぬれそぼった蜜口を深く抉った。
「ひ、ぃ……う……」
襞が擦られているせいか中が熱い。片手を自由にするためか、鈴音の片脚が朔夜の肩に担がれるようにして置かれている。
「もう一本増やしても良さそうですね」
「あぅ……う」
二本目の指が突き立てられると撹拌される音が大きくなる。ぐちゅぐちゅと抜き差しされるたびに淫裂から蜜が溢れ、きゅっと蜜口が窄まった。
「そんなに食い締めていては、指が動かせませんよ。それとも貴女の好きなあれをして欲しいのですか? いやらしいお口ですね」
朔夜は鈴音の脚を肩から下ろすと、膝頭に手を置いて、ふたたび股ぐらに顔を近づけた。敏感になった花唇に熱い息がかかり、鈴音の蜜口が無意識に閉じる。
朔夜はこじ開けるように舌で強弱をつけて淫裂を縦に舐め上げた。そうすると舌先が何かに触れて、眼の前に火の粉が散った気がした。
「ひっ……あぁあ……!」
眼が眩むような猛烈な刺激。それが鈴音に襲いかかる。恐ろしいくらいの快感が次から次へと波のように押し寄せて、鈴音の理性を遠くに攫って行こうとする。
「っ……ひ、ぁ……や、め、……そ、んなとこ……舐め、な……ぃ……でぇ……」
あからさまな反応に朔夜がくつくつと嗤う。
「なるほど。ここがそんなにいいんですね」
包皮に守られた肉芽を舌先が丁寧に剥いていく。やがて現れた小さな肉粒に、朔夜は啜るようにしゃぶりついた。
「ひ……っあ……!」
鈴音は背中に広がる衣を両手で掴み、身も世もなく腰をくねらせる。
もう耐えられない……!
「お願い……も、う……許し、て……」
涙ながらに懇願すると、朔夜の両手が膝から離れ、鈴音の細腰へと移動する。
「わかりました、もう舐めるのはお終いにしてあげましょう。その代わり……」
いつの間にか寛げられた指貫袴の下から、怒張した肉茎が天を衝くようにそそり勃っていた。
「ひっ……」
朔夜のそれに嫌悪感こそ覚えないものの、初めて見る屹立はなにやら恐ろしい生き物に見えて、鈴音を心から脅えさせた。
「他の男に奪われるくらいなら、私が貴女を穢して差し上げますよ」
屈折した笑みを唇に浮かべ、朔夜がみずからの猛りを媚肉へと押しつける。
鈴音は目を見開いて思わず叫んだ。