仮面の求愛
- 著者:
- 水月青
- イラスト:
- 芒其之一
- 発売日:
- 2013年05月02日
- 定価:
- 660円(10%税込)
君はもう俺から逃げられない。
第一王子のジェラルドから突然求愛された公爵令嬢のフィリナ。しかし彼女には他に想い人がいた。いつも白い仮面で素顔を隠している寡黙な青年レヴァンだ。 だがジェラルドから、レヴァンは第三王子で、他国の姫と近々婚約予定であると聞かされて……。さらに数日後、フィリナは何者かによって攫われてしまう。犯人は――レヴァン! ? フィリナを古城に閉じ込め、組み敷いて、純潔を散らす彼の真意は……?
フィリナ
公爵令嬢。レヴァンのことが大好き。
レヴァン
白い仮面で素顔を隠す寡黙な青年。フィリナを古城に閉じ込める。
「これだけ慣らせば大丈夫だな」
独り言のような彼の言葉でこれから何が起きるのかを察したフィリナは、身を起こそうと慌てて下腹部に力を入れるが、強い力で体を押さえつけられて動けなくなってしまった。
フィリナは少しも持ち上がらない体を懸命に捩り、必死に抵抗をする。
「やっ! やだ! やめて!」
フィリナの悲痛な叫びが部屋中に響く。しかし、レヴァンの力は僅かにもゆるむことはなかった。
「やっと、フィリナとひとつになれる」
幸せそうなレヴァンの言葉に、フィリナは一気に血の気が引いた。
怯えて震え出す体を叱咤し、なんとかレヴァンの体の下から抜け出そうとする。しかし動いたのはほんの僅かで、すぐに腰を掴まれて強い力で引き戻されてしまった。
「フィリナは俺のものだ」
レヴァンはトラウザーズの前をくつろげると熱い猛りを取り出し、亀頭を膣口に押し当てた状態で動きを止め、力強い声で断言した。
フィリナは何度も首を横に振って駄目だと繰り返す。この一線を越えてしまったら、きっと、レヴァンへの気持ちが溢れ出して止まらなくなってしまう。
「嫌あぁっ…………!」
心の中でレヴァンの名前を何度も呼び、フィリナは力を振り絞って抵抗した。けれどやはり、男の力には敵わない。
指で慣らされただけの狭い膣口を押し広げるように亀頭が挿入された。その焼けるような痛みに、フィリナは全身を強張らせる。
異物を拒むように閉じた膣内に、レヴァンは動きを止めた。
「力を抜け、フィリナ。狭過ぎて入らない」
余裕のない声が上から降ってくる。
痛みで全身が硬直してしまっているのだ。力を抜けと言われても簡単にはできない。入らないのならやめてくれればいいではないか。そのまま抜いて、解放してくれればいい。
そう思うが、彼は諦める気はないようだった。痛がるフィリナの膣口に指を這わせてから、その上にある陰核に優しく爪を立てる。
「…っ……あ……!」
膣口に集中していたフィリナの意識が突然与えられた快感に向けられ、膣のこわばりが少し解ける。その瞬間を狙って、レヴァンはグッと腰を押し進めた。
狭い膣内を抉じ開けるように無理やり押し入ってくる質量のあるそれに、フィリナは小さく悲鳴を上げる。
あまりの痛みに意識が朦朧としてそのまま意識を手放しそうになったが、更なる激痛がそれを許さない。
気絶できたらどんなに楽だろうか。全身を引き裂かれるような痛みに、涙は突然ピタリと止まった。
痛過ぎると泣くこともできないのか。そんな発見も、今のフィリナにはどうでも良かった。痛くて熱くて苦しい。裂けるような激痛で、うまく息ができない。
やがて、レヴァンがハッ…と熱い息を吐いて動きを止めた。
「……全部、入った」
苦しそうな声でつむがれた彼の言葉に、フィリナは絶望を感じた。