令嬢は花籠に囚われる
- 著者:
- 朝海まひる
- イラスト:
- 犀川夏生
- 発売日:
- 2013年05月02日
- 定価:
- 660円(10%税込)
謝らないよ、君は俺のものだから。
両親をなくし、叔父の策略によって財産を奪われてしまったエリタは、身ひとつで繁華街をさまよっていたところを高級娼館で働く青年・セスに助けられる。 優しく紳士的なセスに恋心を抱き始めるエリタだったが、エリタのとある発言がきっかけでセスの態度が豹変してしまい……。 詰られ、快楽に翻弄されるエリタ。ひどいことをされているのは自分のはずなのに、ふと辛そうな表情をするセスが気になって――。
エリタ
裕福な家の令嬢だったが、叔父に財産を奪われてしまう。
セス
高級娼館で働く青年。エリタを助けるが……?
「あっ、あっ、――や、なにっ」
「気持ちいいのか? すごく濡れてきた」
肉芽を刺激しながら、二本の指が出し入れされる。その動きは次第に激しくなり、ぐちゅぐちゅと淫らな水音をたてはじめた。
混乱に押されていた羞恥が再び湧き上がり、エリタの神経を強張らせる。けれどそれはむしろ体の感度を上げ、エリタは爪先でシーツを掻いた。
尿意にも似た焦燥に恐れと戸惑いが混じり、エリタをさらに混乱させていく。
「や、や――だめ、あっ、アッ」
「エリタは淫乱だな。初めてなのにこんなに感じて」
「ちがっ――んんッ」
指で中の愛液をどろりと掻き出され、腫れて熱を持った淫唇にぬりたくられる。その指先はエリタの柔らかな内腿を這って膝裏に回り、ぐっと股を開かせた。
あられもない格好で晒された秘部は、散々嬲られせいで淫らにひくついていた。セスの視線を強く感じ、エリタの脚が震える。
「や……みないで」
「どうして、こんなにやらしくて綺麗なのに」
ねっとりと手のひらで撫でられ、ぬめりを纏った指先が陰毛を濡らす。恥ずかしさにエリタは身を捩ろうとしたが、覆い被さってきた逞しい肉体に容易く押さえつけられてしまった。
首筋に這わされた舌が、エリタの汗を舐め取っていく。見た目の黒さとは裏腹に柔らかな髪にも皮膚を撫でられて、エリタのうなじがざわめいた。
「っ――んっ、や、ぁ」
膝を閉じようとするたびに、強く押し開かれる。
セスの熱く浅い呼吸と僅かな布擦れの音が妙に耳について必死に視線を向けると、屹立した男性器がエリタの視界に入った。
初めて見る物体に、純粋な恐怖が湧き上がる。
「セス、セス……やめて」
怯えに掠れる声でなけなしの抵抗をしようとしたが、ぐっと膝を抱え上げられてしまった。想像以上の生々しさで行われている行為に心がついていけず、一方的に与えられる辱めにエリタの体が震える。
「だめよ……それは、だめ……っ」
腿を押し広げていく腰の中心にある昂ぶりが、エリタの蜜口に触れる。そこに性器を押し込まれるのだという知識はあったが、こんなにも大きなものだとエリタは知らなかった。指一本でも痛かったのに、それの何倍もある塊を押し込まれたらエリタは壊れてしまう。
ふくれあがった恐怖から、エリタは激しく首を振った。
「むり、無理よッ――そんなのはいらなっ」
「エリタ、君は俺のものだ」
膝裏を押さえる指先に力がこもり、下肢にぐっと体重がかけられる。
緊張に強張っていたエリタの体は僅かに抵抗したが、セスの熱杭は体を縦に裂かれるような痛みを引き連れて秘部にめり込んだ。
「っ、や、むり……むりぃッ……おっき……ッ」
信じられない質量が、容赦なくエリタを犯していく。奪われていく恐怖に息が引き攣り、エリタは喘いだ。
「ひっ、ぁ、ぃっ、やっ、いた――いたぃッ」
最も張り出した部分に押し開かれる痛みにエリタが四肢を強張らせると、宥めるようなくちづけが目尻や口端に落とされる。
思わぬ優しさに抜いてくれるのかとエリタは期待したが、セスはエリタを軽く揺さぶった。
「あっ、あ!」
「痛いか、エリタ。だが、それを味わってくれ。俺が君を犯してる感覚を、この小さく柔らかな体に刻みつけるんだ」
残酷な甘さで、セスが囁く。
膝から外された両手が涙でぐちゃぐちゃのエリタの頬を宥めるように撫でるが、与えられる痛みは終わらない。セスの腰は小刻みにエリタを揺さぶり、少しずつその凶器を呑み込ませていった。