ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

緊縛の檻

緊縛の檻

著者:
泉野ジュール
イラスト:
幸村佳苗
発売日:
2018/10/03
価格:
660円(税抜)
 

愛するために、今、君を縛る。

母親のために高級娼館に身を売ったマリオン。彼女を買ったのは、美貌の若手実業家アレクサンダーだった。決してマリオンを抱かないと告げる彼との微妙な関係は、緊縛ショーに招かれたことで大きく変わっていく。アレクサンダーは過去の悲劇が心の傷となり、女を縛らないと抱けなくなっていたのだ。マリオンに激しく欲情しながらも、愛する人を縛る罪悪感に苛まれるアレクサンダー。マリオンは縛めの快楽に溺れながらも深い愛で彼を包もうとするが……。

愛を恐れる大富豪×愛で包みたい没落令嬢、二人を結ぶ禁断の情火

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登場人物紹介

マリオン

マリオン

母親を助けるために高級娼館に身を売り、オークションでアレクサンダーに高額で買われる。

アレクサンダー

アレクサンダー

若手実業家。マリオンを高額で買っておきながら、抱かないと言う。その真意は…?

お試し読み

「俺を軽蔑するかい?」
 アレクサンダーが尋ねる。
「いいえ」
 マリオンは正直に答えた。これが本心からの言葉だと彼に伝わればいいと、強く願いながら。
「本当のことを言います。こ、こんなふうに縛られるのは……心細いわ……。でも、あなたのことは信頼しています……。これがあなたに必要なことなら、わたしは……う、受け入れます。きっと大丈夫……だから」
「大丈夫ということはないよ、マリオン。きっと俺は君を抱き潰してしまう。君を闇に堕としてしまう。深く、遠く」
 脅しのような台詞も、マリオンの彼に対する思慕や信頼を揺るがしはしなかった。多分、それを語る彼の瞳があまりにも優しかったからだ。
「でも……わたしが堕ちたら、あなたは助けに来てくれるでしょう?」
 マリオンがささやくと、アレクサンダーはそっと目を閉じた。数秒後、目を開けた彼の中からは、今まであった迷いが完全に吹き飛んでいるようだった。
 ──ついに狂おしい夜がはじまろうとしている。
 きっと今夜、ふたりはお互いの情火に焼かれる。体にはすでに火がついていて、まだ経験したことのないそれが、待ち遠しくてたまらないほどだった。
 アレクサンダーはまずマリオンに覆い被さり、本物の大人の口づけで彼女の唇を塞いだ。
「は……ぁ……っ」
 舌が重なり、絡み合う。
 誰かを口の中に進入させたことなどなかった。マリオンは動けなかったから、ただアレクサンダーが与えてくれるものを受け入れることしかできない。
 舌をなぞられると、ぞくっとするような痺れがマリオンの肢体を震わせた。
 唇を塞がれたままの状態で、アレクサンダーの片手がマリオンの乳房をひとつ鷲摑みにする。マリオンの短い悲鳴は、繰り返される口づけの狭間で溶けて消えた。
「ん……ぁ……ふぅ……」
 アレクサンダーの手はマリオンの肌に吸いつき、柔らかくも張りのある若い乳房をゆっくりと揉んだ。途端に体温が上がり、胸の頂にある小さな蕾が硬くなっていく。
「きゃう! ア、アレク……サンダー……あ! あ!」
 唇を解放されたと思った瞬間、アレクサンダーは素早くマリオンの過敏になった乳首を口に含んだ。まずは全体を吸われ、そして、舌の先で硬くしこった蕾を転がされる。
 めまいがするほどの快感に襲われ、マリオンはすすり泣いた。
 アレクサンダーはペロリと乳首を舐め上げて、薄く微笑みながらかすれた声でつぶやく。
「まだはじまったばかりだ、マリオン……。これだけでそんなに甘い声を出していたら、俺がこれから君に与える快楽に、君は耐えられなくなる」
 快楽に、耐えられなくなる? そんなことがあるのだろうか?
「君は夢のようだ。だからこそ、繫ぎ止めておきたい……」
 アレクサンダーはもう片方の乳房も同じように口で可愛がりはじめた。すでに愛撫を受けた胸を執拗に揉み、乳首を指でからかい続けながら、マリオンを高めていく。
 マリオンにできるのは、快感の受け皿となったその体を、アレクサンダーのために開くことだけ……。誰に教わったわけでもないのに、マリオンの口からは艶めかしいあえぎ声が次々にこぼれた。
 嚙まれたり、舐められたり、摘まれたりしながら、マリオンの胸は翻弄された。すべてが生まれてはじめて感じる官能で、マリオンは意識が白く濁っていくような朦朧とした夢心地に流されていく。
「はぅ……あぁ……んっ、ひっ……ひぁ……」
 気がつくと、高い波が押し寄せてくるような、狂おしい欲求が体の芯に芽生える。気持ちいいだけではない、どうしても今以上の刺激を求めたくなるような、もどかしくて苦しい、なにか……。
「わ、わたし……へん……です……。あ……、ん……」
 マリオンの体が小刻みに震えてくると、アレクサンダーは一旦、彼女からわずかに離れた。妖しく全身を縛られ、シーツの上で身悶えるマリオンの姿を、恍惚とした静かな瞳で見つめる。
「思った通りだ。君の胸はとても感じやすい、マリオン」
 そして、すっかり火照ったマリオンの胸の頂に、フッといたずらな息を吹きかけた。
 ただ息が触れただけなのに、マリオンの体はびくりと跳ねる。アレクサンダーは優しげに微笑んだが、彼の息遣いはどんどん荒くなっていった。



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