ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

暗闇に秘めた恋
  • yondemill

暗闇に秘めた恋

著者:
山野辺りり
イラスト:
氷堂れん
発売日:
2016/07/02
価格:
640円(税抜)
 

貴女は私の劣情を知らない。

幼い頃に目の病を患ったフェリシアは、その間自分を支えてくれた叔父に恋心を抱いていた。だがある日、彼が婚約者のいる女性と駆け落ちしたと聞かされる。女性の婚約者は、叔父の親友で、フェリシアも兄と慕うエセルバート。「叔父を許してくれるなら何でもする」とエセルバートに謝罪する彼女だが、彼はいつもの優しげな表情を一変させ、劣情を露わにし――。彼の欲望を注ぎこまれる日々の中、フェリシアは再び目が見えなくなってしまうのだが……。

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登場人物紹介

フェリシア

フェリシア

幼い頃目の病を患った時に、唯一自分を励ましてくれた叔父に恋をしているのだが……。

エセルバート

エセルバート

伯爵家の嫡男でありながら、フェリシアの叔父と起業し経営している。紳士的な人柄で女性からの人気も高い。

お試し読み

「……暴れなければ、乱暴にはしません」
 そんなことを言われても、フェリシアにとって同意もなく始まった行為は暴力も同然だった。
 硬く強張った身体は、小刻みに震えている。滲んだ涙は粒となり、次々と透明の筋を頬に刷いた。凍りついてしまった身体は、自分自身のものなのに制御がきかない。壊れてしまった涙腺は、とめどなく涙を量産し続ける。全身が、拒絶を示していた。
「……くそっ……」
 そこから視線を引き?がしたエセルバートに、フェリシアのスカートは捲り上げられた。膝を割り開かれ、脚の付け根を弄られた瞬間、嚙み殺しきれなかった悲鳴が漏れる。
「やぁ……ッ、お願いします、誰か助けて……っ、お、叔父様……! 叔父様助けて!」
 いつでも、自分へ救いの手を伸ばしてくれる人。暗闇の中から引きあげてくれる道標のような存在。どんなときも、絶対的に自分の味方だと信じられる者をフェリシアは呼んだ。『怖い夢を見たんだね』と頭を撫でて欲しい。『もう大丈夫だよ』と晴れ晴れとした笑みを見せて欲しい。そうすれば、きっとどんな悪夢も忘れられる。
「……アレンの……あいつのどこがそんなにいいんだ……!?」
 しゃくりあげながら閉じていた瞳を開けば、エセルバートが痛みを堪えるように眉根を寄せていた。乱れたシャツから覗いた喉仏が、官能的に上下する。喘ぐように息を吐き、フェリシアの顔の横で握り締められた彼の拳は白く筋が浮いていた。
「それは───」
 自分にだって分からない。子供の頃は優しい兄のようだと懐いていただけだ。そういう意味ではエセルバートと同じだった。どうして叔父でなければならないのか、それをはっきりと説明することは難しい。きっと理路整然とした理由など、ないのだ。
 ただ、恋に変わったきっかけは覚えている。
 突然の病で眼を患い、暗闇の中で怯えていた日々。丁度同じ頃、普段饒舌なアレンも喉を痛めて会話ができなくなってしまった。あの特別な数日、二人の間には今までにない繋がりが生まれたのだと思う。
 指先と気配だけの交流。不自由なやり取り。それで、充分だった。あの時間があったからこそ、今の自分があるのだと信じている。フェリシアにとってアレンと二人だけで共有する宝物のような思い出。それを他者に明かすつもりはなかった。
「……エセルバート様には、関係ありません……っ」
「───ああ、そうですか。確かに、その通りだ」
「やぁっ」
 強引に差し込まれたエセルバートの手が、フェリシアの秘められた場所を布越しに撫であげた。力づくで開かれた脚が、ふしだらに宙を搔く。逃れようとずり上がった身体は、大きな手で押さえ込まれた。手早く下着を奪われて、下肢を隠してくれるものはもう何もない。あり得ないところへ感じる視線に、全身が燃え上がるほどに熱くなった。
「見ないでください……!」
「そんな要望を、口にできる立場だと?」
 懇願はあっけなく撥ねつけられ、フェリシアはせめてこんな光景を見ないようにと両手で顔を覆った。現実を直視する勇気がない。いっそ全部が夢ならよかったのに。そうすれば、秘密の恋を抱えたまま、仲の良いアレンとエセルバートを見守っていられた。それだけで満足していられるはずだった。それなのに何故、兄と慕った人の前で、こんな淫らな姿を強要されているのだろう。
「あ……!?」
 だが、そんな現実逃避さえ、エセルバートは許してはくれなかった。
 口にすることもできない恥ずかしい場所に、空気の流れを感じる。微かな感覚がこそばゆくて、恐る恐る指の隙間から確認すれば、見なければよかったと後悔する光景が広がっていた。
 フェリシアの太腿を抱えた彼が、赤い舌を伸ばす。今まさにその先が触れようとしているのは、人体で最も不浄な場所だ。そんなところを晒されるだけでも耐えられないのに、舐められるなどとても考えられない。
「や、嫌っ、エセルバート様、やめてくださいっ!」
 がむしゃらに振り回した手足は無慈悲にも押さえ込まれた。罰のように更に大きく脚を開かれ、膝が胸につきそうなほど、腰を折り曲げられる。伸しかかられた苦しさに喘げば、ソファの座面からフェリシアの尻が浮きあがった。

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