ソーニャ文庫

歪んだ愛は美しい。

償いの調べ
  • yondemill

償いの調べ

著者:
富樫聖夜
イラスト:
うさ銀太郎
発売日:
2013/06/03
価格:
600円(税抜)
 

早く私に堕ちてこい。

壊して、めちゃめちゃにして、そばにとどめて、従属させたい――。伯爵令嬢シルフィスは、辺境伯アルベルトに仄暗い劣情を叩きつけられる。彼はシルフィスの初恋の人。そして、亡き姉の婚約者だった人。姉の死の原因を作った罪に苛まれ、修道院に身を寄せ償いの日々を送っていたシルフィスの前にアルベルトは突然現れた。シルフィスを連れ去りその純潔を奪い、「償いに、私の子を孕め」と執拗に己を刻み込む彼の目的は……?

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登場人物紹介

シルフィス

シルフィス

伯爵令嬢。家族の死の原因を作った罪を償うため、修道院に身を寄せていたが……。

アルベルト

アルベルト

辺境伯。シルフィスの亡き姉の婚約者だったのだが……。

お試し読み

「イったか……」
 目を見開いて天井を見上げ荒い息を吐きながら、時折ビクンビクンと震えるシルフィスを目を細めて見下ろしながらアルベルトはつぶやいた。きゅうと指を締め付けるシルフィスの胎内もそのことを如実に伝えている。うねり、絡みついて彼の指を奥へ奥へと引き込もうとしているその様は、初めて絶頂に達したとは思えないほど淫らな反応だった。
 くっとアルベルトの口の両端が上がった。
「処女なのにたったこれだけで達するとは、淫乱な身体だな」
 その言葉は絶頂に達し、陶然としていたシルフィスに鞭のように襲い掛かった。
「駄目と言いながら私に触れられてこんなに蜜をたらして、甘い声を出して……。これで修道女とは笑わせてくれる。こんな淫らな身体を持つ修道女などおるまい」
 ――修道女。
 冷や水を浴びせられた気がした。羞恥と罪の意識が嵐のように襲ってくる。自分は見習いとはいえ、修道女だ。神に仕える身でこんなふうに触れられて声を上げるなんて……!
「嫌ぁ! やめて、言わないで……! ん、んんっ……!」
 蜜壺から指が引き抜かれ、その感触に思わず声が漏れた。シルフィスは自分の喉をついて出てきた甘い嬌声に目の前が真っ暗になった。
「いい声で啼いていたな」
「や、やめてください!」
 シルフィスは彼の胸に手を置くと、満身の力を込めてアルベルトをどけようと突っ張った。
「私は修道女になるのです。両親と姉への償いに一生神に仕えると決めたのです! だから、お願いです、こんなことはもうおやめください! 私を……私を、もう解放して……!」
 最後は悲鳴のような声になった。忘れられぬ思慕。そこからもう解放されたかった。神に仕えることで少しずつ風化していくだろうと思ったのに、こんな風に目の前に姿を現して、再びその思いを引きずり出されて。……こんな苦しさからはもう解放されたかった。だが……。
「解放だと? ふざけるな」
 厳しい声が飛んだ。見上げると、そこには先ほどまでの愉悦の笑みを浮かべていた男はおらず、ブルーグレイの瞳を静かに燃え立たせシルフィスを見下ろすアルベルトがいた。シルフィスの言葉の何かが彼の逆鱗に触れたのだ。
「一生神に仕えるだと? そんなことを許した覚えはない。解放? 私からか? だがあいにくと私は君を解放する気などない。奪われたものを取り戻すまでは」
「奪われた……もの……」
 それに思い当たってシルフィスはぶるっと震えた。自分が彼から奪ってしまったもの――それは彼の美しい婚約者レオノーラ。
「言ったはずだ。ディーステル伯爵家の未来だ。私はそれをコリンソン家に……君に奪われた」
 脳裏にレオノーラの姿が浮かぶ。シルフィスとよく似た……けれどもっと美しく優しく聡明だった姉の姿が。
「君は私に償わなければならない。コリンソン伯爵家最後の一人として」
 アルベルトは手を滑らせてシルフィスの下腹部――子宮のところに手を置いて告げた。
「修道院には二度と戻さない。君はここにいて、私に抱かれて私の子供を――ディーステル伯爵家の後継ぎを産む」
「……こ、子供……?」
「そうだ。それが君の私に対する償いだ。……嫌とは言わせない。私は君のせいで婚約者を失ったのだから」

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